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(イラストAC)


ガーシーのことが気になって仕方ない友人との会話。

■警察とのかけ引き


友人 日本に帰ると言ったり、帰るかわからないと言ったり、煮え切らないおっさんだな。50歳なんだろう。子どもと一緒じゃないか。
 警察との心理戦、かけ引きなんだろう。
友人 かけ引き?
 最新のアクセスジャーナルの動画では、FC2(このブログの管理会社)の高橋理洋元社長から依頼されたドワンゴに対する中傷で、警察が動いていると言っていたな。
友人 それで帰りづらくなっていると?
 それだけでなく、ガーシーが楽天の三木谷社長のスキャンダルを取り上げたのも、NHK党の立花党首がやらせたんだという話もしていた。ガーシーの「死なばもろとも」の暴露動画も、周辺にいいように利用され、話がどんどん広がっている感じだな。
友人 ガーシーの関係先を家宅捜索したのは「常習的脅迫」という容疑だったけど、「常習的脅迫」というのは暴力団を取り締まるための”罪名”らしいな。
 「暴力行為等処罰に関する法律」という、一般の刑法とは別の“特別刑法”の中に規定された容疑だよ。もともとは学生運動などを取り締まるために作られた法律だけど、今は主に暴力団に適用外されている。単なる脅迫ではない。そこがポイントだな。

■反社のネットワーク


友人 国会での陳謝の日(8日)が近づいてきたら、急にトルコに行くとか、やってることがわざとらしいな。
彼ら・・なりに考えた作戦なんだろう。普通に考えれば、帰国しない口実のためにトルコに行ったように思うけど、それも警察や世論に対する揺さぶりなんだと思う。
友人 なんでそこまでするのか? 往生際が悪いとしか思えん。
 伊藤喜之氏の『悪党 潜入300日 ドバイ・ガーシー一味』でもそれらしきことが書かれているみたいだけど、ドバイには日本社会に恨みを持つワルたちが集まっており、その中にガーシーが加わった。お互いの利害が一致して協力関係を築いたと言われている。
友人 なに、それ?
 結構、根は深いんだよ。反社のネットワークみたいなものにかくまわれているとも言える。その意味では「反権力」というのは、必ずしも間違ってない。もっともそれは、脱法的な組織=反社を「反権力」だと見做せばという話だけど。
友人 それだったら「反権力」ではなく、誰かさんが言う「脱権力」じゃないか?(笑)
 ガーシーが再三口にする「身の危険」というのは、表に出ていること以外に何かあるんじゃないかと思わせる。もちろん、個人的な借金問題もあるかもしれない。闇カジノにはまって作った借金なんだから、おのずとその素性はあきらかだろう。でも、それだけではない気がする。
友人 Yahoo!ニュースにあがっているような記事を見ると、単純で簡単な名誉棄損の問題のように見えるけどな。

■大手メディアの腰が引けた姿勢


 ガーシー問題でも、大手メディアのテイタラク、腰が引けた姿勢が目立つ。背景がまったく語られてない。ガーシーではなく、ガーシー、ガーシー一味・・と呼ぶべきなんだよ。だって、警察が家宅捜索した中に、ネットの収益を管理する合同会社・・・・というのがあったけど、あれなんか大きなヒントなのに、大手メディアは知ってか知らずかスルーしている。だから、ネットでいろんな憶測を呼ぶことになり、ガーシー問題が暇つぶしのオモチャになっている(オレたちもそうだけど)。
友人 メディアは警察の発表待ちなんだろうな。
 警察が発表したら、いっせいに報道しはじめるんだろう。いつものことだな。芸能界との関係も、暴露がどうだという問題だけじゃないよ。アクセスジャーナルの山岡氏は、ガーシーのことを「やから」と言っていたけど、そういった「やから」との関係が問題なんだよ。でも、テレビを牛耳る大手プロに忖度して、大手メディアはどこも見ざる言わざる聞かざるを決め込んでいる。
友人 ガーシー問題の本質は「やから」の問題ということか。
 フィリピンの「ルフィ」一味も、彼らが特殊詐欺で稼いだ金額は60億円以上と言われており、警察庁長官もそう発言している。しかし、「ルフィ―」一味に渡ったのは数億円にすぎない。あとはどこに消えたのか?という話だが、今の様子では、残りのお金が誰に渡ったのか、解明されるとはとても思えない。末端の小物ばかり捕まえて点数を稼ぐ”点数稼ぎ”や役所特有の”縦割り意識”など、いろいろ言われているけど、警察も所詮は(小)役人。児童虐待が起きるたびにやり玉にあがる児童相談所と同じで、事なかれ主義の体質を持つ公務員の組織にすぎない。ガーシーの問題も、国会議員のバッチと引き換えに、ウヤムヤに終わる可能性は高いだろうな。世論も、国会議員を辞めろという話に収斂されているし、辞めれば国民の溜飲も下がって幕引きだろう。

■「共感主義」の「暴走」


友人 でも、ガーシーと他の国会議員がどれほど違うのか?という気持もあるな。
 たしかに、ガーシーに投じる一票と、選挙カーの上で陰謀論やヘイトスピーチをふりまく候補者や、壇上で大仰に土下座して投票をお願いする候補者に投じる一票がどう違うのか。ガーシーの後釜は、ホリエモンの秘書兼運転手でNHK党副党首の肩書を持つ人物と決まっているらしいけど、ガーシーと、ひろゆきやホリエモンや成田悠輔や三浦瑠麗や橋下徹や落合陽一や古市憲寿がどう違うのか、というのはあるな。村上裕一氏が『ネトウヨ化する社会』で書いていた「共感主義」の「暴走」という観点から見れば、同工異曲としか思えない。ガーシーが消えても、また次のガーシー=ネット時代のトリックスターが出て来るだろうな。栗城史多が死んだあと、ミニチュアのコピーのような登山ユーチューバーが次々と湧いて出たのと同じだよ。しかも、栗城を批判した登山家たちが、節操もなく人気登山ユーチューバーに群がりヨイショしている。ユーチューバーの信者たちも、栗城を叩きながらミニチュアのコピーは絶賛する。ガーシーを叩いても、ひろゆきやホリエモンや成田悠輔には心酔するんだよ。
友人 ‥‥‥。


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