
(イラストAC)
ガーシーは「三度目の炎上」の只中にある、と書いていた記事がありました。SNSの世界は、タイムラインのような時間軸の中にあるので、人々の関心も次々と移っていきます。そのため、炎上させてしばしの間、関心を繋ぎ止めておくしかないのです。
「三度目の炎上」とは、言うまでもなく国会議員除名から逮捕状の執行に至る今の局面を指しているのでしょう。
そこでさっそく、ガーシー大好きな八っつぁん&熊さんのかけあいがはじまりました。
■チキンな性格
八 何でもガーシーって国会での謝罪を行なうつもりで極秘に帰国しようとしたんだってな?
熊 謝罪予定日の前日の3月13日、韓国まで戻っていて、トランジットで深夜1時頃にLCCで羽田空港に到着する予定だったというあれだろ。でも、航空会社がメディアに情報を洩らしたので引き返したという‥‥。
八 そう。やっぱり国会議員をやめたくなかったのかな。
熊 「だって詐欺師だよ‥‥」(笑) どこまでホントかわからないよ。
八 たしかにその前はトルコからチャーター機で帰るとか言ってたな。そのときも「やめた」と言っていた。そして、今度は韓国‥‥。
熊 ただ、これだけは言えるのは、ガーシーはチキンな性格だよ。そう考えれば、このような顛末も氷解できる。ドバイに行ったときだって、BTS詐欺(正確には「詐欺疑惑」)が発覚したあと、スマホに警察署からの着歴が入っていることに気付いて、それで怖気づいてドバイ行きを決断したんだよ。警察に行って事情を話せば、仮に立件されても初犯なので執行猶予が付く可能性は高い。へたすれば、起訴猶予もあり得る。相談した弁護士からもそう言われたみたいだけど、「逮捕されたら借金の返済がでけへん」という理由で飛ぶことを決断した。
八 何と律義な。
熊 それだけヤバいところから借金していたんだろうな。結局、現実に向き合う覚悟ができずにドバイに飛んでさらに墓穴を掘ってしまった。
八 何だか世の人々にとっても人生訓になるような話だな(笑)。
熊 秋田新太郎氏からの誘いに乗って、妹などから40万円だかを借りてドバイに行く。でも、ドバイの国際空港に着いたときは、飛行機代を払ったので手元には数万円しか残ってない。それで、タクシーを使わずに砂漠の中の道を2時間歩いて秋田氏のマンションを訪ねるんだ。
八 せつない話だな。
熊 とりあえず、秋田氏の婚約者(?)が経営するレストランでアルバイトをすることになった。秋田氏はドバイでも有数な高級マンションに住んでいたけど、ガーシーはレストランの社員寮の部屋を与えられた。それも、モロッコ人スタッフと同室の埃だらけの部屋だった。
八 そのあと秋田氏から説得されて暴露チャンネルをはじめたのか。
熊 さすがのガーシーも、最初は乗り気ではなかったと書いているな。でも、秋田氏から「金を返すにはどうする?」と詰問され、意を決して「東谷義和のガーシーch【芸能界の裏側】」を開設することになったというわけだ。
八 そうまでしてお金を返済しなければならないと考えるのは、相当きつい追い込みをかけられていたんだろうな。
熊 裏カジノで借金を作って進退窮まり、雪山で自殺しようと思って山に行ったら、雪がなくて死ねなかったというトンマな話がある。眉唾な話だけど、ガーシーの性格を物語る話だと言えないこともない。チキンな性格によってみずから墓穴を掘り、どんどん深みにはまっていくんだよ。
■「ガーシー一味」
八 あの「ガーシー一味」は何なんだ?
熊 言い方は悪いけど、たかりみたいなもんだろ。ガーシーチャンネルがバズったので、甘い蜜を吸うために集まっただけじゃないのか。
八 たしかに、あれだけの人脈があったのに、どうして孤立無援の状態に置かれ、妹からお金を借りてドバイに飛ぶことになったのか?と誰でも思うよな。
熊 テレビドラマのように一網打尽とはいかないだろうけど、国家は恣意的なものなので、逃亡を支援したとしてシッペ返しを食らう可能性はあるだろうな。逃亡が長引けば長引くほど、彼らに対する圧力は強まるだろうから、そのうち「お願いだから早く日本に帰ってくれ」と懇願するようになるんじゃないか。
八 彼らを見ていると、表の仕事は別にして、暗号資産などの裏のビジネスで繋がっているような気がしてならないな。
熊 「集英社オンライン」も少し触れていたけど、福一の原発事故のあと、”脱原発政策”で再生可能エネルギーが脚光を浴び、腹に一物の連中が太陽光ビジネスに群がった。そして、そのあと、ブロックチェーンを使った暗号資産のブームが起きると、それにも手を伸ばした。今、反社や半グレがらみで摘発されている事件も、そのパターンが多い。ガーシーに直接関係ないけど、三浦瑠璃の旦那の事件も同じだ。
■身から出た錆
八 ガーシーは自分で言うようにこのまま一生日本に帰らないつもりなのかな。
熊 「だって詐欺師だよ‥‥」(笑)
八 そんなことないか?
熊 51歳で薬が手放せない糖尿病持ちだよ。あのドス黒い顔色を見ると、既に腎臓病の合併症を併発しているような気がしないでもない。だとすれば、そのうち人工透析も必要になる。それでなくてもチキンな性格なんだから身が持たないよ。
八 逃亡生活はきついだろうし‥‥。
熊 ガーシーの攻撃は相手の家族までターゲットにした容赦ないもので、ガーシー自身も、アキレス腱を攻めるのが俺のやり方だと嘯いていたけど、今度はその言葉がそっくりそのまま自分に返って来ることになる。「ガーシー本」を読むと、高校教師だった父親はギャンブルに狂って借金を作り自殺したそうだ。それもあって77歳の母親や48歳の妹は、今のガーシーを心配しているという。まして、逮捕状が出て国際指名手配されたらよけい気に病むだろう。でも、世間は情け容赦ないので、今度はガーシーのアキレス腱である母親や妹がターゲットになる。正月には母親をドバイに呼んで一緒に新年を祝ったみたいだけど、家族の泣きごとにいつまで耐えられるかな。
八 あとは帰国した場合の命の保証か?(笑)
熊 芸能界がヒットマンを放っているというのは法螺で、ホントは何度も言うように借金がらみのトラブルを怖れているんだと思う。もうひとつは、ガーシーを帰したくない、帰ったら困る人間たちの存在もあるんじゃないか。それは日本にもいるしドバイにもいるはず。
八 ドバイに行っていろんなしがらみが出来たからな。
熊 でも、それでも帰ると思うよ。チキンな詐欺師の結論はそれ一択だよ。ホリエモンと立花(前党首)は、ガーシーはカルロス・ゴーンのように逃げ切れると言っていたけど、カルロス・ゴーンとは事情がまったく異なる。彼らは、逃げ切ってほしいという”希望的観測”で言っているにすぎない。「ガーシー本」の著者の伊藤喜之氏は、UAEにはタイのタクシン元首相など各国から政治亡命者が集まっているので、ガーシーもUAE政府から政治亡命として保護される可能性があると言っていたけど、ガーシーが政治亡命と見做されるとはとても思えない。ゴールデンビザを持っているから大丈夫だという話も同じだけど、UAEは梁山泊じゃないよ。国家や政治が、時と場合によって冷酷で非情なものに豹変する、ということがまるでわかってないお花畑の論理にすぎない。
八 そのうち、出頭するので迎えに来てください、と警察に連絡が入るんじゃないか。
熊 もちろん、軟禁や〇〇もないとは言えないけど、SNSで啖呵を切ったように、ホントに自分の意志で逃亡者の道を選ぶのなら少しはガーシーを見直すけど、そこまで肝が据わっているとはとても思えない。
八 もともとは横浜の裏カジノにはまって借金を作り、首が回らなくなったという、身から出た錆の話にすぎないのに、どうしてこんなおおごとになってしまったんだと言いたくなるよな。
熊 ドバイの連中は、ガーシーは不当に「弾圧されている」と言っているけど、元はと言えば、ガーシーが自分が起こしたチンケな詐欺まがいの事件に必要以上に怯えてドバイに飛んで、みずから傷口を広げただけ。演出されていたとは言え、自分の借金を返すために、旧知の芸能人や出所不明のタレコミがあった一般人をネットで晒して、あのようなヤクザ口調で追い込んでいながら、それで「弾圧されている」はないだろう。しかも、ネットとは別に、裏でも脅迫していたという話もあるしな。
八 当然そうだろうな。表の暴力はデモンストレーションで、裏でその暴力をチラつかせてビジネスを行う。それが「やから」のやり方だよ。
熊 ガーシーを「反権力」みたいに言っていた「元赤軍派」は、アメリカにいた頃、ブラック ・パンサー党の準党員だったそうで、現在アメリカで大きな潮流になっているブラック・ライブズ・マター(BLM)運動について、国内の集会でも乞われて発言していたみたいだ。ガーシーにアメリカの黒人を重ねて、「嘘の正義より真実の悪」とか「悪党にしか裁けない悪」といったマンガから借用したフレーズを真に受けたのかもしれないけど、語るに落ちたとはこのことだよ。