
■ショーケン
横浜に住んで15年以上になりますが、昨日、初めて鶴見の総持寺に行きました。
もう10年以上も前ですが、フジテレビで萩原健一に密着したドキュメンタリーが放送されたことがありました。
晩年は都内に引っ越したみたいですが、ショーケンは長い間、鶴見区の寺尾というところに住んでいて、早朝から散歩に出かけて、途中、総持寺にお参りするのが日課になっているとかで、本堂で懸命に手を合わせて念仏を唱えているシーンがありました。2019年に亡くなったときも、葬儀は鶴見で行われたそうです。
私がショーケンが出た映画で印象に残っているのは、神代辰巳の「青春の蹉跌」(1974年)と深作欣二監督の「いつかギラギラする日」(1992年)です。「青春の蹉跌」は、新宿の今はなき日勝地下だったかで観た記憶があります。あの頃は人生の難題が重なってホントに苦しんでいました。血を吐いたこともありました。
総持寺は歩いて行くにはちょっと遠すぎるので、バスで行きました。
鶴見行のバスに乗ったのも二度目ですが、昔の狭いクネクネ道がバイパスに変わっていました。前にバスに乗ったときもこのブログに書いていたので調べたら、2010年の8月でした。13年振りに鶴見行のバスに乗ったのです。
■曹洞宗の大本山
終点の「鶴見駅」の一つ手前の「総持寺前」で降りましたが、バス停の前には歯学部で有名な鶴見大学の建物がありました。
実は、鶴見大学も総持寺が運営しているのです。総持寺は、「総持学園」という学校法人を持っており、傘下には鶴見大学だけでなく、短期大学や中学や高校、幼稚園もあるそうです。
参道の両側に大学の校舎があるので、参道を山門に向かって歩いていると、前から鶴見大学の学生がひっきりなしにやって来るのでした。春休みでそれなのですから、学校がはじまれば参道は学生で埋まるのでしょう。
総持寺は、曹洞宗の大本山の寺です。曹洞宗では「総本山」とは言わないみたいです。また、曹洞宗には大本山が二つあり、もう一つは福井県にある永平寺だそうです。曹洞宗の開祖は道元ですが、道元が祀られているのが永平寺で、総持寺で祀られているのは、4代目の祖である鎌倉時代の禅師の瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)だそうです。
山門(総門)の三松関(さんしょうかん)をくぐり、さらに両側に金剛力士像が睨みをきかす三門(さんもん)をくぐると、まず目に飛び込んで来たのが広大な境内に配置された伽藍堂とそのまわりを囲む桜の木でした。
いつくかの門をくぐって坂道を登ると、正面に仏殿(本殿)が見えてきました。ただ、本殿のまわりは工事中で、袈裟を来た僧侶たちが首からカメラを提げて工事の模様を撮影していました。
また、本殿の中に入ると、修行中なのか、5~6人の僧侶が一列に並んで、古参の僧侶から所作の指導を受けていました。
本殿に行く途中に「受付」という看板が立てられた香積台(こうしょだい)という建物があり、お土産などを売っているのですが、その中に事務所みたいなのがあって、丸坊主で袈裟を来た坊さんがパソコンを打ったり電話をしたりと、事務作業を行っていました。何だか奇妙な光景でした。
総持寺のあとは鶴見駅まで歩いて、横浜駅に行こうと京浜東北線に乗ったのですが、途中で気が変わって東神奈川駅で下車して横浜線に乗り換えて、菊名から東横線で帰りました。駅を出たら、ちょうど雨が降りはじめたので、自分の選択が間違ってなかったんだと思って、ちょっと誇らしいような気持になりました。人間というのはそんなものです。
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三松関


香積台

百間廊下

仏殿(本殿)

本堂



白く映っているのは、舞い散る花びらです。