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こんなことばかり書いても仕方ないのですが、最近、世情を賑わせているビッグモーターの不正問題と札幌ススキノの頭部切断遺棄事件についても、メディアのまわりくどい報道に、何だか隔靴掻痒の感を覚えてなりません。どうしてもっとシンプルに考えることができないんだろうと思います。

■保険金不正請求の深層


昔ディラーで働いていて、その後損保の代理店に転職した知人にビッグモーターの問題を訊いたら、中古車業界や車の修理工場の根深い体質もさることながら、主因は損保会社の不作為にあると言っていました。

「保険金詐欺」とも言っていいようなビッグモーターの不正請求があれほどまかり通ったのは、損保会社が修理金額をチェックする査定を事実上棚上げしてビッグモーターのやりたい放題を黙認した上に、さらに不正行為に手を貸すかのように修理車両をビックモーターに紹介していたからです。

わざと傷を付けて修理代金を上乗せした事故車の多くは、別にビックモーターから中古車を買ったユーザーの車ではないのです。損保ジャパンをはじめとする損保会社が紹介(修理を依頼)した保険契約者の車なのです。

私も昔、車を当て逃げされた経験がありますが、翌日、当て逃げした「犯人」が名乗り出たので、保険会社に紹介された修理工場に修理を出したことがありました。修理が出来上がり、後日、送られてきた明細を見てびっくりしました。「保険だからいいようにぼったくっているな」と思いましたが、自分が支払うわけではないので苦笑するだけでした。

パーツを取り替えるより板金塗装した方が工賃が高く、修理工場が儲かるのかもしれませんが、ビッグモーターがやっていたことは、いくら高くても車の持ち主からクレームが来ることはないという、保険のシステムを悪用した手口で、業界では別に珍しいことではないのでしょう。

保険会社にしても、過大な修理代金は保険から支払い、その分は保険料の料率の改定に反映されるだけなので、自分たちの懐が痛むわけではないのです。だから、大手の代理店であるビッグモーターの売上げに手を貸すことで保険契約(特に自賠責保険)のシェアを拡大するという、”悪手”とも言うべき持ちつ持たれつの関係を築いたのでしょう。

「保険制度の根幹をゆるがす大問題」とホントに思っているなら、ビックモーターよりむしろ不正に手を貸した損保会社に対して、会社のあり方そのものを問い直すような大ナタを振るうべきでしょう。でも、所詮はトカゲの尻尾切りで終わるのは目に見えています。

■トランスジェンダーを隠れ蓑にした性犯罪のデジャビュ


一方、札幌の頭部切断遺棄事件では、小学校の頃から不登校であったという29歳の娘は、自分の性に対して定まらない、いわゆる「ノンバイナリー」の側面があったと言われています。しかもメンヘラだったのか、責任能力がないと見做されて罪を問われない可能性があるとも言われているのです。

また、被害者の男性は女装してクラブのパーティなどに出没していたそうですが、実は女装は女性をナンパするための手段だったという話も出ているのです。そのため、ススキノのいくつかの店では女性とトラブルを起こして出入り禁止になっていたそうです。

そして、究極の箱入り娘とも言える29歳の娘との間でもトラブルが生じ、スマホで撮影した娘の動画をネタに自宅にまで押しかけていたという話があります。

断片的な情報しかなく事件の概要が掴みにくいのですが、計画を主導(提案)したのは、娘ではなく父親だったと言われているのも、一家をまきこむトラブルが背景にあったからでしょう。メンヘラでトランスジェンダーの一人娘が、それこそ女装して女性トイレに忍び込む性犯罪者と紙一重のような男の魔の手に落ちたことで、世間知らずの代名詞でもあるような医者の一家が追いつめられて、あのような猟奇的と言うのか稚拙な完全犯罪と言うのかわからないような犯行に至ったというのが真相なのではないか。ここにもLGBTQで指摘されていた、トランスジェンダーを隠れ蓑にした性犯罪の問題が露呈されているように思えてなりません。

このように二つの事件に共通しているのは、被害者が単純な、、、被害者ではないということです。加害者VS被害者という単純な、、、図式で事件を見ると、事件の本質が見えなくなってしまうのです。


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2023.07.28 Fri l 社会・メディア l top ▲