
(写真AC)
■アゾフ連隊に志願する若者
今朝のTBSのニュースは、アゾフ連隊に若者の志願者が殺到しているという話を伝えていました。中には17歳の少年もいるのだそうです。
しかし、アゾフ連隊がネオナチの元民兵組織(現在はウクライナ国家警備隊に所属する準軍事組織)であることはひと言も伝えていませんでした。戦争の長期化により、祖国を守るために若者たちも立ち上がった、というようなトーンで伝えているだけでした。
もっとも、ウクライナの若者たちは正規軍に徴兵されるはずなので、アゾフ連隊に志願しているのは国外の若者たちが多いのではないかと思います。17歳の少年は、胸に入れている、ナチスの記章のヴォルフスアンゲルを反転させたアゾフの記章の入れ墨を見せていましたが、アゾフ連隊の極右思想に共鳴した入隊であることがミエミエでした。しかし、TBSに限らず日本のメディアは、そういった背景を一切報じることはないのでした。
■ゼレンスキーのブラフ
ゼレンスキー大統領は、アメリカCBSテレビのインタビューで、「ウクライナが敗北すればロシアはポーランドやバルト3国に迫り、第3次世界大戦に発展しかねないと警告した。『プーチン(ロシア大統領)を食い止めるか、世界大戦を始めるか、全世界が選ばなければならない』と述べた」(下記記事より)そうですが、これは国連総会での演説を前にしたブラフ(脅し)であるのはあきらかでしょう。
東京新聞 TOKYO Web
「ウクライナ敗北なら世界大戦」 ゼレンスキー氏が警告
こういったゼレンスキー大統領の要求に引き摺られて、軍事支援をエスカレートさせれば、最後にどういった事態を招くことになるのか、火を見るよりあきらかです。相手が核保有国であることを考えれば、ゼレンスキー大統領の発言は核戦争=終末戦争をも厭わない、と言っているのに等しいものです。
■ウクライナ政権内の不穏
もっとも、こういった過激な発言の背景には、政権内で”ゼレンスキー外し”が始まっているからではないかという指摘もあります。
先日、ゼレンスキー大統領は、突然、軍事物資の横流しや汚職などの疑惑が取り沙汰されていたレズニコフ前国防相を更迭したのですが、後任に就いたルステム・ウメロフ氏は、就任早々、ハンナ・マリャル国防次官ら国防次官6人全員の解任を発表したのでした。解任の理由はあきらかにされてないのですが、記事によれば、ハンナ・マリャル国防次官などは、解任当日の朝まで、ウクライナの反転攻勢の進展について情報を発信していたそうで、唐突な解任であったことがわかります。
政権内では、(汚職なんて当たり前の政権なのに)汚職を理由にした“粛清”が行われているような気がしてなりません。政権の内部で、停戦か徹底抗戦かの対立が表面化しつつあるのかもしれません。
■ウクライナ支援で背負う負債
いづれにしても、ウクライナという国の現実から目をそらして、アメリカの言うがままに軍事支援に突っ走ったヨーロッパ各国は、仮に戦争が終わっても、ネオナチの拡散(逆流)という大きな負債を背負うことになるのは間違いないでしょう。
日本にいるウクライナからの避難民はもう2千人を切っているのではないかと思いますが、言いにくいことを言えば、彼らウクライナ避難民は、個々の事情とは別に、ウクライナのプロパガンダを体現する役割を担っているとも言えるのです。原口議員に対する在日ウクライナ大使館の高圧的な態度に示されるように、彼らを盾にすることで、ウクライナに対する批判やウクライナ戦争に対する疑問が一切封じられているのでした。それは、福島の被災住民を盾に、汚染水の海洋放出に反対する意見が封じられているのとよく似ています。
日本のメディアは、ウクライナの問題においても、伝えるべきこと(伝えなければならないこと)を何を伝えてないのです。