アゾフ連隊





■何を今更の記事


ウクライナに関して、最近、何を今更のような記事が出ていました。

47NEWS
「汚職大国」ウクライナへの巨額支援、流用の恐れはないのか 高官の逮捕・更迭相次ぐ 総額36兆円・日本1兆円超 復興でさらに膨らむ

ウクライナが「汚職大国」であるというのは、この私でさえ今まで何度も書いてきたことです。でも、日本のメディアは「ウクライナかわいそう」一色に塗られ、そういったウクライナの暗部には目を瞑ってきたのでした。

記事によれば、7月31日の時点で、アメリカ・ドイツ・イギリスの三国だけで、支援額は2300億ユーロ(約36兆3000億円)になっているそうです。また、日本の支援額も76億ドル(約1兆1300億円)に上っているそうです。

はっきり言って、そのかなりの部分はドブに棄てるようなものでしょう。このお金を国内の貧国対策に使えばどんなに助かる人たちがいるだろうと思うのは私だけでしょうか。

今になってこんな話が出て来るというのは、欧米の議会でウクライナ支援に疑義を唱える声が大きくなっているからだと思います。「支援疲れ」という見方もありますが、風向きが変わりつつあるような気がしてなりません。

先日も、多くの避難民を受け入れ、軍事支援している隣国のポーランドのモラヴィエツキ首相が、穀物輸入(輸出)をめぐる対立からウクライナへの武器供与を停止することを表明したというニュースがありましたが、”支援の輪”にほつれが出始めているのは間違いないでしょう。

また、言いにくいことを言えば、汚染水の海洋放出における福島の被災住民と同じように、ウクライナの避難民が、(本人の意思とは別に)ウクライナ政府のプロパガンダに利用されている側面も見過ごしてはならないでしょう。

ゼレンスキー大統領は、先日の国連総会でアメリカを訪問して、バイデン大統領と会談した際、アメリカは「歴史的な武器の共同生産を決定」したと述べ、その成果を強調したのですが、しかし、アメリカも一枚岩ではないのです。新年度予算をめぐる民主党と共和党の対立でも、巨額のウクライナ支援が焦点になっているように、ゼレンスキー大統領の発言に顔をしかめている国民も多いはずです。

エネルギー価格の高騰に伴う物価高もそうですが、これほどの痛みを強いられてもなお、「世界」はウクライナと運命をともにするのかということでしょう。しかも、そのウクライナは「汚職大国」で、支援も穴の開いたバケツに水を灌ぐに等しいような状態なのです。

もちろん、この場合の「世界」と言うのは、欧米や日本などのいわゆる旧西側諸国にすぎません。人口比で言えば世界の半分以上の国は、ウクライナ支援に反対、若しくは二の足を踏んでいるのです。世界もまた一枚岩ではないのです。

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■ネオナチの拡散というもうひとつの暗部


ウクライナの問題はそれだけではありません。ネオナチの拡散という問題もあります。この問題については、メディアは依然目を瞑ったままです。

ウクライナでバージョンアップされたネオナチが、やがてヨーロッパ各地に拡散され、深刻な事態を招くのは目に見えています。自業自得と言えばそれまでですが、ヨーロッパの民主主義に大きな脅威になるのは間違いないでしょう。

アメリカの支援に、民主党政権と関わりが深い防衛産業や、ウクライナの農業に深く関与している穀物メジャーの思惑が絡んでいることは今までも指摘されてきました。ウクライナの農地の多くをアメリカのカーギル、モンサント、デュポの穀物メジャーが所有し、ウクライナの農民は半ば農奴のような状態に置かれているというのは、戦争前から言われていました。ここでもみずからの利益のためには手段も結果も問わない(戦争も厭わない)、”資本の暴走”が垣間見えるように思います。

2014年にウクライナのガス企業ブリスマの幹部に就いたバイデン大統領の息子のハンター・バイデンが、ウクライナの生物兵器の開発にも関わっていたのではないかという疑惑もあります。アメリカにとって(バイデン一族にとって)ウクライナは、ある日突然ロシアから侵略された「かわいそうな」国だったわけではないのです。ウクライナ戦争の前から深い関りのある「おいしい」国だったのです。そのため、ウクライナ戦争の背景に、オレンジ革命(2004年)やマイダン革命(2014年)を画策してウクライナを植民地化したアメリカ帝国主義と、それに危機感を抱いたロシアとの対立を指摘する声もあるのでした。

このままエスカレートすれば、ゼレンスキー大統領が示唆しているように、第三次世界大戦だって起こり得るかもしれません。そもそも、ゼレンスキー大統領自身が第三次世界大戦や最終戦争を志向しているのではないかと思えるほど、その発言のかなりの部分はネオナチもどきのものです。

何度も言うように、ウクライナが「かわいそう」なのはその通りですが、しかし、それはあくまで一面にすぎないのです。ウクライナには、戦争前から人身売買や薬物製造や軍事物資の横流し、それにアゾフ連隊のようなネオナチが跋扈して、LGBTやロマなどの少数民族やロシア語話者や労働運動家に対する誘拐や殺害などの現実が存在していたのでした。そういった腐敗した国家のあり様も、今回の戦争とまったく無関係ではないことをもっと知る必要があるでしょう。

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2023.10.01 Sun l 社会・メディア l top ▲