いよいよ引越しの日が迫ってきました。

今日は友人一家がやって来ました。遠くに行くのでしばらく会えないかもしれないから、と遊びに来たのです。

私が埼玉に居を構えるようになったのは彼らが先に住んでいたからです。

彼らを訪ねて来たとき、きれいに区画整理された街並みを見て、「いいところだな~」と感激しました。そして、彼らの勧めもあって引っ越すことを決めたのでした。

そんな彼らも、数年前、新しくマンションを買って同じ沿線ですが他の地へ移ってしまいました。

おいしい天麩羅屋があるからといって天麩羅をご馳走してくれました。すぐ近所なのですが、私は初めての店でした。「お前、こんなおいしい店をホントに知らなかったのか?」と友人もあきれていました。

引っ越す日が迫ってくると、やはり、一抹のさみしさはあります。

10数年、いろんな思い出がこの街には詰まっています。

父親の葬儀を終え、九州から戻って来た夜、駅前のラーメン屋でチャーハンを食べていたら、突然、涙があふれてきて仕方なかったことがありました。今はそのラーメン屋のあとに瀟洒なマンションが建っています。

会社を辞めた翌朝、私は、いつもの都内に向かう電車と反対側の電車に乗りました。そうやって反対側の電車に乗ることをずっと憧れていたからです。

そんな様々な思いがこの街の風景の中にあります。

写真屋の息子としては写真を撮っておかなければと思うのですが、忙しくてまだ撮っていません。

帰るとき、友人から「じゃあ、元気でな」と言われたのですが、そう言われるとなんだか益々さみしい気持になりました。
2006.11.11 Sat l 日常・その他 l top ▲