Yahoo!ニュース



■有識者会議のとりまとめ


ネット上の誹謗中傷の対策を検討してきた総務省の有識者会議が、「被害者の削除申請から1週間程度での対応を求めること」などを柱とする内容を、28日にとりまとめたというニュースがありました。

朝日新聞デジタル
ネット誹謗中傷「1週間程度で対応を」 総務省会議が事業者に求める

ただ、焦点のひとつだった「削除請求権」に関しては、同権の乱用によって「表現の自由」が侵害される恐れもあることから、明文化(法制化)の議論は先送りされたということです。

朝日の記事は、今回のとりまとめの骨子を、以下のようにわかりやすくまとめていました。

誹謗(ひぼう)中傷対策の骨子

・プラットフォーム(PF)事業者は迅速かつ適切に削除を行うなどの責務がある

・削除の基準や手続きを定めた「削除指針」の策定・公開を求める

・削除の申請窓口や手続きを整備し、日本語での対応を求める

・利用者による削除申請の受け付けから1週間程度での対応を求める。その際、削除の有無や判断理由を利用者に通知する

・対象となる事業者は海外事業者も含め、不特定者間の交流を目的とするサービスのうち、一定規模以上のものに限定する

・削除指針に基づく運用状況の公表を求める


■Yahoo!ニュースのコメント欄を閉鎖すればいいだけの話


また、記事は次のように書いていました。

有識者会議のとりまとめでは、PF事業者が誹謗中傷を含む情報が流通する空間の提供を通じて広告収入を得ている点に着目。「PF事業者は迅速かつ適切に削除を行うなどの責務があると考えるのが相当」と明記した。


このブログでも何度も書いているように、ネットの誹謗中傷問題の根幹には、ニュースをコメント欄でバズらせてアクセス数を稼ぎ広告収入を得るYahoo!ニュースに代表されるような、ニュースをマネタイズする手法があるのです。

有識者会議のとりまとめは問題をSNS一般に解消していますが、たとえば、前から散々言っているように、まずYahoo!ニュースのコメント欄を閉鎖するなどの処置が先決ではないかと思います。Yahoo!ニュースを見ているとどうしてネトウヨになるのか、と言った人がいましたが、Yahoo!ニュースのコメント欄が閉鎖されるだけでネットはかなりまともになるでしょう。水は常に低い方に流れるネットの習性を考えるなら、そういった処置がもっとも効果的なのです。

Yahoo!ニュースの問題だけではないと言う人もいるかもしれませんが、少なくとも月間225億PVを誇るニュースサイトのコメント欄がネトウヨの巣窟になっている今の状況が改善されれば、ネットの言説も通りがよくなるのは間違いないでしょう。

もういい加減、ネトウヨが言っていることが政治的な主張ではなく、単なる陰謀論とヘイトの流布にすぎないという認識を持つべきなのです。Yahoo!ニュースに巣食うネトウヨには、排外主義的なカルト宗教の信者たちも多いのですが、彼らが陰謀論を発信し、Yahoo!がそれを利用してニュースをマネタイズしている構造そのものが問題なのです。

70人体制で24時間監視して対策しています、AIを使って削除しています、というのは単なるアリバイ作りにすぎないのです。そもそもYahoo!ニュースには、独立した編集権さえ存在しないのです。そんな会社がニュースを扱うのですから、どれだけ再生回数を稼いだか(どれだけバズらせることができたか)でニュースの価値をはかるような基準がまかり通っているのは想像に難くありません。

Yahoo!ニュースの問題は、自民党が「Dappi」に資金を提供して、野党攻撃のためのフェイクニュースを拡散していた問題と根っこにあるのは同じです。

いくら有識者がネットの誹謗中傷を議論しても、企業や政治が金儲けや政敵を攻撃するためにそれを利用している限り、そして、そのためのシステムを温存している限り、机上の空論でしかないのです。

■ネトウヨとジャニーズ問題


最近、ジャニー喜多川氏の性加害を告発した元ジャニーズJr.の男性が、ネットの誹謗中傷によってみずから死を選ぶという痛ましい事件がありましたが、彼を誹謗中傷したのはジャニオタだけではありません。ネトウヨがジャニー喜多川氏の性加害に陰謀論を持ち込み、「当事者の会」や元メンバーに悪罵を浴びせ、執拗に攻撃していたことも見過ごしてはならないでしょう。

ジャニー喜多川氏の性加害の問題とネトウヨの関係については、Arc Timesでの中森明夫氏の発言にヒントがあるように思いました。

Arc Times
中森明夫さん<アイドル評論家>・ジャニ ーズの功と大きな罪/アイドル論の明日(尾形×望月)】

彼らは右翼ですらないし、論敵ですらないのです。それこそ学校で、ネトウヨにならないためにはどうすればいいか、ということを教えてもいいようなネットリテラシーの問題なのです。

自由に反対する者に自由を与えるな、という考えが求められているのです。コメント欄は言論・表現の自由のために必要だ、民主社会では多様な意見は担保されるべきだ、というYahoo!!ニュースの主張は、ニュースをマネタイズするための方便だということを忘れてはならないのです。
2023.11.29 Wed l ネット l top ▲