秩父2・1月1日
(2002年1月1日)



■登山あるある


前回笹尾根を歩いたのが4月でしたので、もう7ヶ月振りになりますが、昨日、西武秩父線の東吾野駅からユガテ、そして反対側の毛呂山町の鎌北湖まで歩きました。

途中のコースは違いますが、東吾野駅から鎌北湖は去年の6月にも歩いています。最近はまだ膝に対する不安もあるので、山に行くモチベーションがまったくあがらず、それこそやっと重い腰を上げて出かけたという感じでした。

でも、これも登山あるあるですが、一度行くと今度はどこに行こうかなと思ったりするのでした。

もちろん、登山と呼べるようなものではなく、文字通りのハイキングでしたが、しかし、7ヶ月振りの山歩きにしては帰ってから筋肉痛もなく、何より身体の疲れも自分でも意外なほどありませんでした。一応10キロ近く歩きましたし、スマホのアプリでは出かけてから帰るまで2万8千歩歩いていましたが、何だか仕事から帰ってきたのと同じくらいの疲労感で、帰ってから風呂の掃除をしたくらいです。

いちばん辛かったのは、前回も書きましたが、下山したあとの鎌北湖から東毛呂駅までの5キロ近くの道でした。ただ、あとで知ったのですが、鎌北湖には平日に限り午前に1便、午後に2便、村営の巡回バスが立ち寄り、東毛呂駅までバスで行けるようになったみたいです。

■行きと帰りの電車の不運


早朝4時に起きて、みずからを奮い立たせて(それこそ自分で自分のケツを叩いて)、ザックを背負って駅に向かいました。

始発の5時6分の電車に乗り、東急東横線・地下鉄副都心線で池袋まで行きました。始発は各駅停車でしたので、池袋駅に着いたのは6時過ぎで、池袋駅から西武鉄道の特急ラビューで飯能駅まで行き、飯能駅からは西武秩父線に乗り換えて東吾野駅で下車する予定です。

去年の6月も同じ行程だったのですが、西武池袋駅の券売機で特急券を購入しようとしたらクレジットカードが使えないのでした。でも、すっかりキャッシュレス社会の申し子のようになっている私の財布の中には、前日インフルエンザのワクチンを接種した際のお釣りの小銭しか入っていません。

私は、駅の案内所に行って、「特急券はクレジットカードは使えないのでしょうか?」と訊きました。どこの駅でも駅員は大概横柄と相場が決まっていますが(それが駅員に対する暴力事件が多発する背景なのですが、メディアは一切指摘しない)、案の定、ガキのような駅員が「そうですよ」とぶっきぼうに答えるだけです。まるで「それが何か?」とでも言いたげな口調でした。

「スイカは使えないのですか?」とさらに訊くと、「パスモのカードだけですね」とこちらの顔も見ないで手元の作業を続けながら答えるのでした。つまり、モバイルスイカ(パスモ)は使えず、プラスチックのカードしか使えないのです。

キャッシュレス社会を手放しで礼賛するわけではありませんが、スーパーや飲食店などのキャッシュレス化を考えると、何だか鉄道会社の殿様商売ぶりが垣間見える気がしました。もちろん、ネットのアプリだと当然キャッシュレスは可能です。

しかも、特急ラビューは信号機の点検があったとかで6分だか遅れて出発したのでした。しかし、飯能駅での秩父線の接続時間は6分しかなく、それも秩父線のホームは線路をはさんだ反対側にあるので、一度階段を上って反対側のホームに移動しなければならないのでした。

案の定、飯能駅ではダッシュして階段を上ったものの、秩父線のホームに降りた途端に無情にも電車のドアが閉まったのでした。次の電車は1時間後です。それこそ電車のドアを蹴飛ばしたような気持でした。

それで、仕方なく改札口を出て、このブログでも書いたことがありますが、北口の名郷行きのバス停の前に吉野家があるので、そこで朝食を食べて時間を潰そうと思い、北口に向かいました。すると、何ということでしょう、吉野家は改装中でシートがかぶせられ休業していたのでした。まさに踏んだり蹴ったりです。飯能駅には松屋もすき家もなく、吉野家しかないのでした。仕方なく、改札口の前の待合室のようになっているスペースで、コンビニのおにぎりを食べて時間を潰しました。

そのスペースの真向かいのシートに40がらみの女性がひとりで座っていたのですが、しばらくすると、そこに背広の上にステンカラーコートを羽織った同じくらいの年恰好の男性が「お待たせ」と言ってやってきたのでした。そして、女性がスーパーのレジ袋に入った弁当のようなものを渡していました。男性もさも嬉しそうにそれを受け取ると、二人でシートに並んで座わり、まわりに聞こえないような小さな声でおしゃべりをしていました。

私はおにぎりを頬ばりながら、ときどき上目使いで二人を見て、「チェッ、不倫の恋の出勤前の逢瀬かよ」と心の中で舌打ちしました。

電車とのタイミングが合わなかったのは、帰りも同じでした。当初は、八高線の東毛呂駅から八王子まで行って、八王子から横浜線で帰る予定にしていたのですが、鎌北湖から5キロの道を歩いて東毛呂駅にやっと着いて改札口を入ったら、反対側のホームに八王子行きの電車が停まっていたのです。しかし、反対側のホームに行くには階段を上って渡線橋(渡り廊下)を越えなければなりません。私の横を若者が走って渡線橋を渡り、下り階段を一段づつ飛ばしながら降りて行きました。私もフーフー言いながらやっとホームに降りた途端、まるでアカンベーをするかのように電車のドアが閉まったのでした。まったく朝の飯能駅の二の舞です。

しかも、次の電車はやはり1時間後しかありません。逆方向の電車を調べると30分後に来るみたいなので、再び渡線橋を戻り、反対方向の電車で越生駅まで行き、そこから東武東上線を乗り継いで、池袋・新宿・渋谷を通って副都心線・東横線で帰りました。

東毛呂駅で八高線の電車に乗ったのが午後2時40分でしたが、最寄り駅に着いたのが午後5時半でした。そもそも下山口の鎌北湖に下りたのが午後0時半なのです。何とそこから5時間かけて帰ってきたことになります。

■気ままなハイキング


今回のハイキングの目的は、途中の林道沿いにある天文岩を訪ねることでした。ユガテからエビガ坂に向かう登山道の途中から林道に30分くらい進むと天文岩がありました。前にも何度か来たことがありますが、いづれも車でしたので、今度は下から歩いて行ってみたいと思ったのでした。考えてみれば、天文岩を訪れたのは15年振りくらいです。

あの頃は山の上から暮れなずむ秩父の街を眺めるのが好きでした。2002年の元日に撮った写真がありますので、ついでに貼っておきます。夜中にもよく行きましたが、暗闇で天文観察のグループに遭遇したことがありました。また、山の中で仔猫を拾って帰ったこともありました。飼い方もわからないので近所の猫好きの家に聞きに行って事情を話したら、その家で引き取ってくれることになりました。

朝の重い気分はどこへやら、やはり山っていいなあとしみじみ思いました。途中、登山道を歩くだけでは面白くないので、ルートを外れ薄い踏み跡を辿って藪の中に分け入ったりしました。

今回は登山アプリではルート設定もせずに、歩いた軌跡だけを表示するようにしました。もちろん、道案内が豊富なので道迷いする心配はありませんが、何だか車と同じようにナビの案内で山を歩くのはつまらないと思ったのでした。ときどき寄り道をしながら自分のペースで気ままに歩くのは、なつかしい気持もありました。子どもの頃、そうやって裏山を歩いていた記憶があるからでした。

このコースは外国人のハイカーが多いのですが、昨日はひとりも会いませんでした。途中で会ったのは、挨拶もしない侏儒しゅじゅのような日本人の爺さんだけでした。


※拡大画像はサムネイルをクリックしてください。

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西武秩父線・東吾野駅

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東吾野駅はいつの間にか無人駅になってしました。

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駅の反対側は天覚山の登山口で、いわゆる「飯能アルプス」に至ることができます。

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いつもの吾野神社の階段

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登山道は社の裏から

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途中登山道を外れ「雨乞塚」に寄ってみた

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このあたりの山には雨乞いの岩や塚などが至るところにあります。昔は眺望のいい岩や塚(小さなピーク)などで雨乞いの儀式が行われたのでしょう。でも、今は植林で眺望が閉ざされています。

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高齢の猟師は熊より怖い。

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ユガテ

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天文岩

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鎌北湖の上にある集落





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