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六本木に新しくできた国立新美術館の開館記念企画展・「異邦人(エトランゼ)たちのパリ」を観に行きました。

外苑東通りから美術館の方に入ったすぐのところに、昔、おいしいと評判のケーキ屋さんがあって何度かケーキを買いに来たことを思い出しました。ただ、美術館の場所については、何があったのか、いくら考えても思い出せないのです。帰って調べたら、東大の生産技術研究所の跡地だということがわかりました。

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国立新美術館はかの黒川紀章氏の設計だそうです。そういえば、「異邦人たちのパリ」の隣では、入場無料で「黒川紀章展」が開かれていました。「こんなことってありなの?」と思いましたが‥‥。

「異邦人たちのパリ」はポンピドー・センター所蔵の作品展ですが、モディリアーニシャガールミロカンディンスキーピカソマン・レイなどの作品は、かつてヌーベル・イマージュのポストカードでなじみのあるものばかりだったので、なんだかなつかしささえ覚えました。

個人的には、これらの作家や藤田嗣治は別格として、ダドの「嬰児虐殺」とキスリングの「若いポーランド女性(ショールを纏う女)」とパリの情景を撮ったアンドレ・ケルテスの一連の写真が印象に残りました。私は、ドキッとするような色使いの絵が好きですね。

ただ、こうして絵を観に行っても、自分の中に昔のような感受性がなくなっているのをひしひしと感じます。若い頃、大分から一日がかりで出かけて行った久留米の石橋美術館で、青木繁古賀春江坂本繁二郎らの絵を前にしたときのあのときめきはもうありません。さみしいものです。

カンディンスキーの「相互和音」の前では、美大生とおぼしき個性的な格好をした若い女の子がじっと佇んで作品に見入っていましたが、なんだか彼女が羨ましいなと思いました。

公式ガイドブック(図録)が2500円もするので買うのをためらったのですが、買っとけばよかったと今になって後悔しています。
2007.03.16 Fri l 本・文芸 l top ▲