
ラゾーナ川崎(正確にはラゾーナ川崎プラザ)に行きました。
ここのウリはなんといっても川崎駅から直結した立地のよさです。首都圏のターミナル駅の横にこれほど広大な土地が残っていたとは驚きですが、といっても別に空き地だったわけではなく、東芝の工場跡地だそうです。
私も以前はよく川崎に行ってましたが、たしかに反対側の東口しか記憶になく、そもそも西口なんてあったのという感じでした。ちなみに、私が川崎に通っていたときにちょうど駅ビルの川崎BEがオープンしたのですから、やはり、昔日の感があります。
ところで、この建物の構造はどこかと似ているなと思ったら、先日紹介した横浜ららぽーととそっくりなのです。それもそのはずで、こっちの方が半年早かったようですが、運営しているのが同じ三井不動産です。
ただ、ラゾーナ川崎の場合、地権者である東芝不動産と共同開発だそうです。そのため、建物内のエレベーターは、みずからの負担で取り付けたビックカメラを除いて、全て東芝製になっているという鋭い指摘がウィキペディアにありました。
ということは、屋上に鎮座ましましているミニ出雲大社(!)も東芝がらみなのでしょうか。縁結びの神様であるにもかかわらず、若いカップルから「なに、これ?」「出雲大社だって」と一笑に付されていました。
ラゾーナ川崎もターゲットはファミリー層だそうですが、そのためか、テナントもむしろリーズナブルなショップが目に付きました。
ユニクロもあるしロフトもあるしプラザ(旧ソニプラ)もあるしビックカメラもあるしサザビーもあるしアカチャンホンポもあるしディズニーストアもあるし‥‥、ホントになんでもあるって感じです。
また、飲食のテナントが多いのもここの特徴です。それも、やはり、ファミリー層を意識してラーメン屋だとか鯛焼き屋だとかいった、どちらかと言えば庶民派の店が多く見られました。
私が行ったのは土曜日の午後だったのですが、たしかにどこを見ても家族連ればかりで、その中にカップルが混じっているという感じでした。その意味では狙い通りかもしれません。
そんな中、夜勤の仕事に出かける途中に立ち寄ったとおぼしき、ショルダーバックを肩から下げた初老の男性が、明らかに戸惑った様子でショップの案内図を見上げていたのが印象的でした。
開店当初、アルバイトをしている青年がみずからのブログに、「ここは原宿か」と興奮気味に書いていたのを読んだ記憶がありますが(笑)、半年が経ち開店景気がすぎつつある今、正面の広場に集う家族連れを見るにつけ、意外にショップの袋を持っている人が少ないのがちょっと気になりました。
屋上では父子がキャッチボールをしているほほえましい光景が見られましたが、住宅棟も併設しているので、そういった日常に隣接したショッピングセンターというのがラゾーナ川崎のもうひとつの特徴と言えるのかもしれません。つまり、よそ行き(ハレ)の場所ではないのです。
もっとも、同じ川崎市民でも東京(渋谷)や横浜への親近感が強い中原区や高津区や宮前区の住人達が、週末になると”ギャンブル路線”などとヤユされるあの南部線に乗ってわざわざやって来る(南下して来る)とはとても思えません。
それに、これからの季節、広場が茶髪にストリートファッションの川崎少年達の溜まり場と化すのではないか、と私はひそかに心配しています。広場のオブジェがスプレーで落書きだらけなんてことになったら目も当てられません。
とは言え、ターミナル駅に直結するという立地条件が最大の強みであることはたしかなのですから、これからパターン化された店舗構成が徐々に修正され、川崎という土地にふさわしいショッピングセンターに変わっていくのではないでしょうか。それが適者生存の法則というものでしょう。