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私が渋谷に通いはじめてもうかれこれ20年近くになります。大体週に2~3日は渋谷に通っていますので、この間の変遷はずっと身近で見てきたつもりです。

ひと頃ほどではないものの、相変わらずテレビなどでは、センター街の入口あたりで若者にインタビューをして、最近の流行ものを取り上げたりしていますが、そんな”若者の街・渋谷”もこれから大きく変貌しようとしているのはご存知でしょうか?

渋谷が”若者”から脱皮したいというのは、地元の商店街にとっては永年の悲願のようなもので、もう10年もその前から繰り返し言われてきたことでした。余談ですが、原宿にしても事情は同じです。あの街の喧騒からは見えない街の本音というのがあるのです。

相変わらず人は多いけれど、しかし、たしかに、最近の渋谷は少し街のパワーがなくなっている気がします。

ヤマンバが派生してなんとかバンバの女の子達が出現したとか、正直言って、もうその手の話題にうんざりしているのは私だけでしょうか?

そんな中、池袋から渋谷に直通する地下鉄13号線が2年後の平成19年に開通しますが、この開通に伴い駅ビルの建替えも予定されており、それによって駅前の再開発もいっそう加速されるのではないかといわれています。

渋谷が”若者の街”から”大人の街”へと変貌しないと新宿や池袋との地域間競争に勝てないというのはそのとおりでしょう。もっとも、渋谷はもともとサラリーマンの街だったので、いわば先祖返りするといってもいいのかも知れません。

私達が若い頃、渋谷は文字通り若者文化の発信地で、地方から出て来た人間にはあこがれの街でした。私がこの業界に入り渋谷に通いはじめた頃もまだそういった雰囲気が残っていました。

しかし、やがて渋谷にやって来る”若者”の質が違ってきたように思います。

シールを売る人間がこんなことを言うと反発を受けるかもしれませんが、業界の事情通と称する人達が「女子高生が流行を作る」なんて言い出した頃から、私も渋谷の街に違和感を覚えるようになりました。

前のブログでも書きましたが、シールのいちばんのお客様はOLの皆さんです。それから30代のお母さん達なのです。意外に思われるかもしれませんが、実際にOLの皆さんが勤め帰りに立ち寄るようなお店の方がよく売れています。

それまでシールというのは文具店でしか売ってませんでしたが、10数年前、私達がポストカードをヒントにして雑貨屋さんに卸しはじめた頃からシールブームが到来したのはそんな背景があったからだと思います。

その意味で、もう一度OLの皆さんが戻って来るようになれば、渋谷もまた違った魅力のある街になるのではないかと、私自身はひそかに期待しているのですが‥‥。

2005.08.27 Sat l 東京 l top ▲