ボロ市1


世田谷のボロ市に行きました。私はボロ市は初めてでした。

三軒茶屋から世田谷線に乗って「世田谷」で下車、世田谷通りから一本脇に入ったいわゆるボロ市通りとその周辺の路地は文字通り芋を洗うが如しの賑わいでした。

このボロ市は430年の伝統があり、東京都の無形民俗文化財に指定されているのだそうです。約700の露店が軒を連ね、それこそ何でもありという感じでした。骨董品や古着はもちろん、漬物やプロマイドを売る店までありました。中には「屋根の修理」という看板を出して年老いた店主がひとりぽつんと座っているだけの店もありました。

ボロ市2

私が興味を持ったのは売っている商品よりも各露店の店主達でした。それこそサラリーマンとは対極に位置するような個性的な風体の人物が多いのです。

私はサラリーマンの頃、知り合いの会社から頼まれて、催事を仕切るアルバイトをしていたことがありました。催事の初日、出店業者の場所の割りふりを行ったり、最終日に片付けがスムーズに行われるよう陣頭指揮をするのが主な仕事でした。いつも輸入雑貨の業者が多かったのですが、それは個性的な人達ばかりでした。ボロ市をまわりながら、当時のことを思い出しました。

彼らの多くはいわゆる団塊の世代です。60年代後半のカウンターカルチャーの洗礼を受け、いわば日本株式会社のレールからドロップアウトした人達です。ここには80兆円とも言われる退職金目当てにやたらもてはやされるサラリーマン退職者達とは別の団塊の世代の姿があるような気がします。私は個人的に団塊の世代は好きではないのですが、こういった組織に頼らず個性的な生き方をしている人達にはシンパシーを覚えます。

松陰神社

帰りに近くの松陰神社に寄ってお参りしました。昨日は散歩の途中、最寄り駅にある熊野神社にお参りしたし、健康に不安を持った途端、所かまわず神頼みしている自分がいます。まったく人間というのは現金なものです。
2008.01.16 Wed l 東京 l top ▲