絵本画家の熊田千佳慕氏が13日未明、横浜市内の自宅で亡くなられたというニュースを目にしました。

昨年、第5巻が出ましたが、眠れない夜、寝床の中で氏の『ファーブル昆虫記の虫たち』(小学館)をめくっていると、なんだか道端にしゃがみこみ、草の間で動いている虫を眺めていた子供の頃の感覚がよみがえってくるような気がします。

氏は「虫や花のことばのわかる画家になりたかった」そうですが、好奇心旺盛な子供の視点で描かれたような細密画は、文字通り単なるボタニカルアートの世界を越えて、感受性豊かな熊田千佳慕の世界が表現されています。もし子供のときに、熊田千佳慕の絵に出会っていたら、今とは違った世界観をもっていたかもしれないと思うことさえあります。

折しも、昨日から松屋銀座で「99歳の細密画家 プチファーブル・熊田千佳慕展」が開かれていますので、お近くの方は是非。

参考サイト:
>> 【PingMag】97歳現役、植物画の巨匠:熊田千佳慕
2009.08.13 Thu l 本・文芸 l top ▲