
Googleのストリートビューですが、総務省からの要請を受けて、ストリートビューのサイト上に「現在撮影中のエリア」という欄を設け、撮影中の地域の情報を公表することになったそうです。でも、なんだか気休めのような気がしないでもありません。
「現在撮影中のエリア」によれば、神奈川県の「横浜・川崎」が撮影中となっていましたが、私も先日、関内で天井にLadybug2を設置したプリウスに遭遇しました。実物を見ると、たしかに異様な感じがしますね。デジカメで撮影しようと思ったのですが、すぐに信号が青に変わって走り出したため、残念ながらシャッターチャンスを逃してしまいました。
ストリートビューは、民主党の高速道路無料化や農家の戸別所得保障と同じで、まったく無駄なサービスだとしか思えません。Googleルはマイクロソフトを横目で見ながら「(マイクロソフトのように)邪悪にならない」ことをポリシーにしてさまざまなサービスを展開し、結果ネットユーザーから絶大な支持を集め、今日の繁栄を築いてきたわけですが、Google自身がマイクロソフトのように「邪悪な存在」となる心配はホントにないのでしょうか。
余談ですが、今回のYahoo!とマイクロソフトの検索広告分野の提携によって、検索分野におけるプレイヤーが実質的に二つ(Googleとマイクロソフト)になるというのは、ネットの多様性ということから考えればそれに逆行するような話ですし、考えようによっては由々しき問題でもあります。しかし、ネットの情報通でそういった視点をもっている人はごく少数です。多くはただ現実を追認することに腐心するばかりで、寄らば大樹の陰なのです。これはネットの大きな特徴でもありますね。これでは「ネットが現実を動かす」なんて百年早いと言わねばなりません。
そもそもネットユーザーを「善人」と見做す前提が間違っているような気がしてなりません。Googleと同じじように、ネットの可能性に限りない期待を表明していた梅田望夫氏も、最近、やっと日本のネット状況に対する失望感を口にするようになりましたが(日本のWebは「残念」梅田望夫さんに聞く)、こういったストリートビューのようなサービスは、(実際に特定の地域の画像を差別的な意図で別サイトに転載するケースなどが発生しているようですが)それこそネットに常駐している「バカと暇人」(中川淳一郎氏)に格好の遊び道具を提供するようなものだと言えなくもありません。
そして、その先に待っているのがネット規制でしょうか。なんだかそのシナリオが見えるようです。
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