
平原綾香が「Jupiter」を携えて私達の前に現れたときは衝撃的でしたが、新しいアルバム「my Classics!」もその衝撃の延長上にあるようなとても聴きごたえのあるアルバムでした。たまたま今、川上未映子の『ヘブン』を読んでいるのですが、「my Classics!」をかけながら読んでいたら、いっそうせつない気持になりました。
「Jupiter」やテレビドラマ「風のガーデン」の主題歌でおなじみの「ノクターン」は別にして、来月シングルカットされて発売予定の「AVE MARIA」も独自の世界を描き出していて、胸がしめつけられるようないい歌でした。やはり、歌がうまいということは大きな武器です。
人生はいつも力強く前向きに走りつづけることができるわけではなく、ときに歩をゆるめ、フッとため息をついて遠くの景色に目をやることがありますが、そんなとき平原綾香の歌を聴きたくなります。
当たり前のことですが、歌も文学も心の琴線に触れてなんぼなんだとあらためて思いました。