
用事で元町に行ったついでに散歩して帰りました。山下公園から赤煉瓦倉庫、そして、万国橋の手前のいつものベンチで暮れなずむ運河を眺めながらしばし休憩したのち、汽車道を通って横浜駅まで歩きました。
元町は中高年の街です。中高年の成金夫婦がこれ見よがしに高級車に乗ってやって来るのをよく見かけますが、彼らにとって元町はやはり特別な街なのでしょう。ただ、写真のビルも1階の奥や写真に映っていませんが右側のスペースはテナントが撤退したままになっており、元町の今を象徴しているような気がしました。もっとも、元町は、もともと若者の街ではありませんでした。平岡正明は、『横浜的』で元町のことをつぎのように書いていました。
ファッショナブルな街並みにはちがいないが、舶来ブランドを輸入して横文字でダマして法外な値段で売るといった町ではない。オーダーメイドの職人経営者の町だ。外国人の注文に応じて服や家具や食器や靴やらをあつらえたことから始まっているから、作って売るという本来の商人のありかただろう。
(モトマチ「横濱繪看鈑」でメタ都市論を)
過ぎ去りし青春の光と影というわけなのか、元町では未だにハマトラのイメージを追いかけている元祖女子大生の女性達も多く見かけます。また、週末になると、ハマトラに合わせたかのような全身コテコテのアイビールックのおじさんを見ることもできます。そもそも元町に行くのによそいきの格好をすること自体がアナクロだと思いますが、知り合いの若い子に言わせれば、その気持が健気でかわいいのだとか。若い子達にはちょっとおしゃれな巣鴨のように映っているのかもしれません。
山下公園の前の銀杏並木もすっかり色づいていました。公園の中も夕暮れを前にゆったりした時間が流れ、散歩するにはいい季節だなと思いました。

ホテルニューグランド




山下公園

神奈川県庁

いつものベンチ

万国橋の上から

汽車道
