
スーパーに行ったら、「春を先どり!九州うまかもん市」というのをやっていて、パンフレットの中に「九州ご当地人気グルメ」がレシピ付きで紹介されていました。大分からは「とり天」と「ぶりのあつめし」が紹介されていましたが、どちらもなつかしい味です。
私は、別に啄木のように石もて追われたわけではないのですが、田舎(ふるさと)はあまり好きではなく、たとえ野垂れ死にしても田舎には帰らないと思っているくらいです。私にとってふるさとは”遠心力”ですが、食べ物だけは別です。
「とり天」は言うまでもなく鶏肉の天ぷら、要するに大分版フライドチキンです。「ぶりのあつめし」というのはぶりの切り身を醤油とみりんのタレに漬けたもので、これをアツアツのご飯の上に乗せてお茶漬けで食べるのです。ただ、「ぶりのあつめし」という言い方は初耳で、私達は「りゅうきゅう」と言ってました。ちなみに、ウィキペディアで調べたら、「あつめし」という言い方は県南の方で使われているようです。ぶりの刺身を買ってきたのですが、食べたあと、「しまった、『りゅうきゅう』にすればよかった!」と思いました。
もちろん、こちらでも大分や九州の味をウリにしている店はありますが、とにかく高いのです。私達には家庭料理のイメージしかありませんので、よけいそう感じます。同じ郷土料理のかしわ飯(鶏肉=かしわ入りのご飯)の店にも行ったことがありますが、都心のビルの中にあるお上品な店で、なんだか大分の味って感じがしませんでした。銀座には大分県のアンテナショップ(?)の大分料理の店がありますが、行ったことのある同郷の知人達は口をそろえて「高すぎる」と言ってました。坊主憎けりゃではないですが、なんだかこういったところにも田舎のいやらしさ(狡猾さ)が垣間見えるような気がしてなりません。