私はかつて有楽町の西武と阪急を担当していましたが、有楽町西武が今年の12月で閉店するというニュースを聞いたとき、「やっぱり」と思いました。これは、西武がセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入ったときから既定路線だったように思います。ニュースの中で、有楽町店が西武の"顔"だったというような言い方がありましたが、有楽町店は最初からお荷物で、"顔"というほどの存在感はなかったように思います。もともとデパートにしては床面積が小さかったので、堤清二氏は、当初雑貨専門のデパート(つまり、のちのロフト)にしたかったんだという話を聞いたことがあります。

ご多分にもれず近年売上げは落ちていたようですが、それでも真向かいの阪急よりはましだったそうです。ただ、阪急に比べて賃料が高いので、それが大きな負担になっていたようです。私が担当していた頃でも、西武と阪急を比べると、売場のコンセプトにしても品揃えにしても問題にならないくらい西武の方が上でした。

横浜を見ても、横浜そごうはもはやデパートと呼べるんだろうかと思うときがあります。おしゃれな横浜市民は高島屋に行くけど、典型的な横浜市民はそごうに行くと言われるのもむべなるかなと思います。デパートの時代が終わったのは誰の目にもあきらかで、ヨーカドー傘下で無残な姿をさらすよりはむしろよかったのではないでしょうか。
2010.02.10 Wed l 東京 l top ▲