
私は九州の大分県出身なので、鶏のから揚げが大好きです。子どもの頃から誕生日やお祭りや来客があったときなどは、必ず地元で「オードブル」と呼ばれていた鶏のから揚げが食卓に並びました。東京で言えば、寿司のようなものかもしれません。ちなみに、寿司もご馳走の定番でしたが、ただ関東のような”にぎり”ではなく巻きずし(関東で言う太巻き)か”ちらし”でした。あとは押しずしです。
最近、東京でも大分の鶏のから揚げがブームなのだそうで、大分から進出した店がテレビや雑誌などでとりあげられ、またたく間に有名店になっています。もっとも東京の人だってもともと鶏のから揚げは好きっだったそうで、どうして今頃ブームなんだという疑問はあります。やはり”仕掛け”があったのかもしれません。
今日も朝からあちこちのテレビの情報番組が、イトーヨカドーららぽーと横浜店で開催中の「からあげカーニバル」(企画・運営/近畿日本ツーリスト)なるものを話題にしていました。たかが一(いち)スーパーのイベントをこれほど大々的にとりあげるというのも不自然ですね。私のダイエットを妨害する陰謀かもしれないと思いました。
ところが、哀しいかな、テレビをみているうちに、まんまと陰謀にはまった感じで、私の中の大分県人のDNAがうごめきはじめたのでした。から揚げが恋しくてなりません。ダイエットはなんとか4キロ減までこぎつけました。ここは我慢のしどころです。歩いている途中立ち止まって、やにわにズボンをずり上げるあの快感を思い起こしては、悪魔の誘惑をふり払おうとしました。
しかし、我らがみな煩悩具足の凡夫で、気がついたらスーパーのレジでから揚げ弁当を手にしている自分がいました。やはり、一時の快楽におぼれるのは人間の性(さが)なのでしょうか。
そして今、ノートを前にして、まるでこれで人生が終わったかのようなひどい自己嫌悪に陥っている自分がいます。
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