神宮外苑2988

尖閣諸島沖ビデオのネット流出事件は、実に「いやな感じ」(高見順)がしました。ビデオの公開にさまざまな意見があるのはわかりますが、あくまでそれを判断するのは政治です。どんなに愚鈍な政治であろうとも、それが民主国家としての最低限のルールです。犯人の海上保安官は「国民が知るべきだ」と言ったそうですが、一介の公務員のどこにそんな権利があるのか、と言いたいですね。海上保安官の行為は、シビリアンコントロールの否定にもつながりかねない、きわめて重大な”公務員の犯罪”です。しかし、そういった問題の本質がいっさい問われることなく、ただ情緒的扇動的な報道がくり返される今の状況は、まったく異様だとしかいいようがありません。

APEC開催中とあって横浜はどこも警察官の姿ばかりが目立っています。ましてみなとみらいは散歩どころではありません。それで、今日は秋の風情を求めて神宮外苑に行きました。しかし、渋谷の街も警察官がやたら目につきました。渋谷郵便局に寄って、そのまま青山通りを通って神宮外苑まで歩いたのですが、青山通りでは車道に警察官がずらり並んで検問も行われていました。

絵画館前ではいちょう祭りの準備が行われていましたが、まだ少し早い感じでした。いちょうと言えば、子供の頃、近所の神社の境内にあったいちょうの木を思い出します。私達はその神社を「天神様」と呼んでいましたが、この季節になると、木の下の黄色に敷きつめられた落葉の上でよく相撲をとったりして遊んだものです。

青山通りを歩いていて、ふといつもと違うなと思いました。最近、自分はこんな歩き方だったかなと思うことがあって、歩いている自分に違和感を抱くことが多かったのですが、今日はまわりのペースにあわせて大股でさっそう(?)と歩いている自分がいて、気分も爽快でした。

考えてみたら、歩く自分に違和感を覚えたのは横浜に引っ越してからです。横浜の人は都内と違って歩くのがのろくて、特に横浜駅のような人ごみでは、自分のペースで歩けないもどかしさをいつも感じていました。歩くことひとつにも、そういった「身体の記憶」というのがあるのだということがわかりました。

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2010.11.11 Thu l 東京 l top ▲