円覚寺_3341

別に正月だからといってご馳走を食べたわけでもないのに、気が付いたら3キロ太っていて、体重計の上で一瞬目の前が真っ白になりました。それで、運動も兼ねて午後から北鎌倉の円覚寺に初詣に行きました。

円覚寺は北鎌倉駅の改札口を出てすぐ線路沿いに石段があり、石段の上には夏目漱石の『門』のモデルになった山門が建っています。また、円覚寺には小津安二郎の墓もあります。小津の「麦秋」では主人公一家が北鎌倉在住という設定になっていて、北鎌倉駅周辺の風景も登場しますが、周辺は今でも当時の名残が残っています。北鎌倉駅のホームに立つと、不思議となつかしいような気持になります。円覚寺には小津のほかにも、木下恵介・田中絹代・佐田啓二(中井貴一の父)など映画関係者の墓があるそうです。それから、オウム真理教に殺害された坂本堤弁護士の墓もあるのだとか。
 
週末にもかかわらず、境内は人も少なくてのんびり散策することができました。ただ、やたら若いカップルが目に付きました。偏屈じいさん予備軍の私は、「こんなところでデートするんじゃないよ」と腹の中で悪態を吐く始末でした。左手に缶ジュースを持ち右手で彼女の髪を撫でていた長髪の若者は、仏殿の前に来ると缶ジュースを足元に置き、パンパンと柏手を打っていました。

私はいつものように、「商売繁盛」「無病息災」を交互に唱えながら手を合わせましたが、ふと「これってありなの?」と思いました。なんだかパンパンと柏手を打っていた長髪の若者と、たいして変わらないような気がしないでもありません。

昔、毎朝合掌して念仏を10回唱えるのを日課にしていたことがありました。仏教に造詣の深かった弁護士の故・遠藤誠氏が本の中で、毎日念仏を10回唱えるといいと書いていたのを読んだからです。その頃はいろんな意味で追いつめられていて、毎日が苦しくてなりませんでした。それで、それこそ切実な気持で毎日念仏を唱えていました。当時に比べれば、今は不真面目でいい加減です。こんな調子ではそのうちバチが当たるかもしれません(もっとも仏教に「バチが当たる」なんていう考え方はありませんが)。

円覚寺のあとは鎌倉駅まで歩きました。しかし、坂道を下り鎌倉駅に近づいたら、「失敗した」と思いました。鶴岡八幡宮の周辺は初詣の人や車でいっぱいなのです。小町通りも人であふれていました。クレープ屋の前に行列ができており、なんだか原宿の竹下通りを歩いているようでした。

帰りの横須賀線も通勤ラッシュ並みに混雑していました。途中、横浜駅で下車して、そごうで買物をして帰りましたが、帰って万歩計を見たら2万歩弱でした。

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2011.01.08 Sat l 鎌倉 l top ▲