有栖川記念公園3914

どうやらしばらく広尾に通うことになりそうです。今日も広尾に行きましたが、時間が空いたので、有栖川公園(有栖川宮記念公園)に行って時間を潰しました。今日も季節外れの「真夏日」でしたので、公園内の小川では近所の子どもたちがザリガニ捕りをしていました。

広尾では時間を潰すのに苦労します。マクドナルドも狭くていつも混雑しているので、とても入る気になりません。かといって、肩にセーターを巻いて、素足でモラシンをはいた、石田純一もどきのおっさんが通りに向かって足を組んですわっているような、おっしゃれなカフェにひとりで入る勇気はないし、北尾トロ氏ではないですが、「ルノアールはないのか?」と言いたくなります。ルノアールのない街はどうもなじめません。

もっとも、広尾も以前に比べると、なんだか華やかさがなくなり、街全体がくすんだような印象を受けました。なかでも広尾ガーデンの凋落がそれを象徴しているように思います。昔を知る人間としては、伊東屋や青山ブックセンターやソニープラザ(クリスマス限定店舗)のない広尾は、やはりさみしいものがあります。さらに同じようにランドマークだったナショナル麻布も今月いっぱいで閉店するそうで、じゃあこれからの季節、クリスマスカードはどこで買えばいいんだろうと思いました。広尾の街には、個人的に悲しい思い出もありますが、いいことなのか悪いことなのか、そういった思い出も一緒にくすんでしまったような感じでした。

昨日、テレビの情報番組で、「セレブの街・六本木」の特集をしていましたが、それをみていて、どこが「セレブの街」なんだ?と思いました。足が地についてないような「如何にも」といった感じの会社や人間が多いのもこの界隈の特徴です。

「ガキみたいな女の子がどうして家賃が30万も40万もするようなマンションに住むことができるのか、一体なんの仕事をしているんだ?と思いますよ」と地元の人が言ってましたが、それが東京なのですね。いわばそれは「動体視力でみる東京」です。その女の子にしても、半年か1年もすればいなくなるのです。そして、また別の女の子がやってくる。そのくり返しなのです。

人間だけでなく会社もショップも同じです。あんな高い家賃のところに店を出して、ホントに採算が合うんだろうか?と考えるのは野暮なのです。みんな短いサイクルでどんどん入れ替わっていく。でも、私たちがみているのは、そのひとコマにすぎないのです。そして、「東京ってすごいな」「みんな、おしゃれでいい生活をして羨ましいなぁ」と思うのですね。

若い頃、六本木通りを車で走っていたとき、横の車線からベンツが強引に割り込んできたので、「どうしてベンツやBMWに乗っているのは、マナーの悪いやつが多いんだろう?」と言ったら、助手席に座っていた女の子から、「そんなことを言うとみじめになるだけだよ」と言われたことがありました。思わず首をしめてやろうかと思いましたが、運転中だったのでムッとして黙っていたら、「どうしたの? 急に黙って」と言われました。長い髪をなびかせ颯爽とした足取りで前から歩いてくるモデル風の女の子をみていたら、ふとそんなことを思い出しました。妙なことはいつまでも覚えているものです。

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2011.10.19 Wed l 東京 l top ▲