
巨人軍の内紛を考えました。
この内紛劇は、世のサラリーマンたちに格好の話題を提供したようです。どこに行ってもその話題でもちっきりです。まさにサラリーマン社会の縮図なのでしょう。
オーナー職を解かれる話さえあった桃井オーナーや原監督が、一転して清武代表を批判してナベツネに忠誠を誓うなど、まるで会社の派閥抗争をみているかのようで、私も昔のサラリーマン時代を思い出しました。裏切りと寝返りはサラリーマンの得意技です。永年サラリーマンをやっている人で、ホントに「いい人」なんて誰もいないでしょう。
私の知っている会社で、ある女子社員が上司の行状について本社の幹部に注進したのだそうです。しかし、結局会社を辞めることになったのは、その女子社員でした。今回の巨人の内紛でもそうですが、日本の会社にはまったく奇妙な組織の論理が存在しているのです。
ナベツネのような独裁者が日本一の発行部数をほこる新聞社の「主筆」なのですから、”老害”なんてレベルをはるかに超える深刻な問題があると言ってもいいでしょう。読売グループあげて、あることないこと書き連ねれば、ウソもホントになるのです。”清武落とし”はこれから本格化するのではないでしょうか。読売の記者がジャーナリストだなんて片腹痛いのです。
ベイスターズ決別宣言を行った山本哲士氏が、今回の内紛について、ブログで秀逸な分析をしていました。
ナベツネ問題は、個人の問題ではない、プロ野球界総体の根源的な悪の問題である、根深い。エンターテイメント・ビジネスにかならずのようにはいりこんでくる、ヤクザ的興行がマルクス主義的=スターリニスト的に変容したその典型でさえある。共産党くずれの大企業オーナーが、メディアや野球界を、スターリニストばりに支配している、「口をだす」という非経済関係の象徴界の場から、巧妙に統治術をはたらかせている、くさった企業経営の一方の典型がそこに見えている。「院政」的な、どこの企業にもかいまみられる日本的統治の残滓でもある。
日本の企業体が、おそろしくマルクス主義的であることは、左翼組織以上の実態であるのだが、その典型がプロ野球のナベツネ問題だ。
だが、オールド・ファシストとポストモダン・ファシストとの共謀が、それをささえつづける。
東電など、その典型であるのだが、プロ野球界も同じだ。組織の全体主義にしたがえば生活が保障されると云う仕組みだ。下までからみこんでいる。(ホスピタリティの場所【山本哲士公式ブログ】)
ナベツネやその盟友であった氏家齊一郎前日本テレビ会長などのような左翼くずれが、経営者になった途端、左翼の組織原理を応用してとんでもない恐怖政治を敷くというのはよくある話です。日本の企業は、前の社長が後継社長を指名する「禅譲」が特徴で、さらに前の社長は会長職などにとどまり「院政」を敷くケースが多く、それがオリンパスや大王製紙などのように組織を腐ったものにしているのです。読売でもナベツネに指名されたい茶坊主たちが、ここぞとばかりに忠犬ぶりを競っているのは想像に難くありません。その意味でも、ニッポンのサラリーマンたちにとって、巨人軍の内紛は決して他人事ではないのです。