今回(第146回)芥川賞を受賞した田中慎弥氏の「断って気の小さい選考委員が倒れたりすると、都政が混乱しますので、知事閣下と東京都民各位のためにもらってやる」という受賞記者会見の発言は、まったく痛快でした。作家たるものこれくらいの個性はもってほしいものです。
「空疎な小皇帝」(©斉藤貴男)都知事閣下が、その傲慢かました態度とは裏腹に、実はCoward (臆病者)だというのは、いろんな人が指摘しています。都知事として初めて迎える都の幹部が、どんな強面の人だろうと思っていたら、「弱々しい声のただの老人で拍子抜けした」というような記事が、以前新聞に出ていましたが、案外そういうものかもしれません。Cowardだから自分を強くみせるために、あんな傲慢かました態度をとるのでしょう。そういう人間は私たちのまわりにもいます。
でも、今まで文壇では誰も閣下の首に鈴をつける人はいませんでした。陰では眉をひそめる人はいても、(前も書きましたが)文学に政治のことばを持ちこんで傲慢かましている閣下に誰もものは言えなかったのです。むしろ出版不況にあえぐ出版社のなかには、閣下の政治力にすがろうとする心卑しい会社さえありました。
閣下が芥川賞の選考委員を辞任したのは、(本人は否定するでしょうが)そのタイミングといい、やはり田中慎弥氏の発言がきっかけになっているのは間違いないでしょう。そして、そこにはCowardな性格も関係しているように思えてなりません。まさに痛快ですね。
ただ、肝心の受賞作の「共食い」はまだ読んでいませんので、読んでからまた感想を書きたいと思います。
「空疎な小皇帝」(©斉藤貴男)都知事閣下が、その傲慢かました態度とは裏腹に、実はCoward (臆病者)だというのは、いろんな人が指摘しています。都知事として初めて迎える都の幹部が、どんな強面の人だろうと思っていたら、「弱々しい声のただの老人で拍子抜けした」というような記事が、以前新聞に出ていましたが、案外そういうものかもしれません。Cowardだから自分を強くみせるために、あんな傲慢かました態度をとるのでしょう。そういう人間は私たちのまわりにもいます。
でも、今まで文壇では誰も閣下の首に鈴をつける人はいませんでした。陰では眉をひそめる人はいても、(前も書きましたが)文学に政治のことばを持ちこんで傲慢かましている閣下に誰もものは言えなかったのです。むしろ出版不況にあえぐ出版社のなかには、閣下の政治力にすがろうとする心卑しい会社さえありました。
閣下が芥川賞の選考委員を辞任したのは、(本人は否定するでしょうが)そのタイミングといい、やはり田中慎弥氏の発言がきっかけになっているのは間違いないでしょう。そして、そこにはCowardな性格も関係しているように思えてなりません。まさに痛快ですね。
ただ、肝心の受賞作の「共食い」はまだ読んでいませんので、読んでからまた感想を書きたいと思います。