床屋政談を。
先日、衆院予算委員会で、日本維新の会所属の某議員が、福島第一原発事故で飛散したセシウムは「低線量で人体に無害。医学を無視し、科学を否定する野蛮な『セシウム強制避難』を全面解除すべきだ」と発言したそうです。この暴言に対して、あるネットの掲示板に、国会は今や「犯罪者と狂人の集会」になり下がったという書き込みがありましたが、うまいこと言うなと感心しました。
総選挙後の国会を見ると、およそ選良には似つかわしくないような人間たちがよくもまあこんなに揃ったものだと感心さえします。そして、安倍首相を先頭に、「悪党(ならず者)の最後の拠り所」(サミュエル・ジョンソン)たる「愛国心」が声高に振りかざされ、エーリッヒ・フロムが『自由からの逃走』で喝破した「パンは与えないけど見世物を与える」排外主義的な扇動政治がはじまったのでした。一部で安倍首相とネトウヨとの関係も指摘されていますが、安倍首相をヒーロー扱いするのはなにもネトウヨだけではありません。
最新の世論調査では、70%前後がTPP参加を支持し、安倍内閣の支持率も65~70%の高水準を推移しているという結果が出ていますが、見方によってはそれはマスコミの”自作自演”とも言えるのです。名古屋のデパートでバーキンが1日に5個売れたのもアベノミクスのおかげだ、みたいな記事が朝日新聞に出ていましたが、こういったマンガのような話がまことしやかに流通しているのが今のマスコミなのです。
一部の大企業が安倍首相の要請に応じて賃上げを実施したら、もうそれだけで大騒ぎして、あたかもこれから「景気がよくなる」かのように書き立てるのですが、経済というのはそんな簡単なものではないでしょう。アベノミクスの目玉である量的緩和なども然りですが、そんなに簡単だったら誰も苦労しません。しかも、勤労者の大部分は賃上げとは無縁で、逆に物価上昇&重税によって実質賃金は目減りするだけなのです。でもマスコミは、そういったアベノミクスの負の側面についてはいっさい書きません。
原発再稼動は着々と進み、懸案の発送電分離も自民党の反対で骨抜きにされる雲行きのようですが、あの原発事故からまだ2年しか経ってないのです。にもかかわらず、全てが元の木阿弥になりつつあるのです。原発事故で何が変わったのか。結局、何も変わらず、ただ私たちに電気料金の値上げが押し付けられただけです。
現在、一部のマスコミにようやく石原慎太郎氏の三男のスキャンダルが取り上げられていますが、そのスキャンダルの根っこにあるのは石原家とパチスロ大手の”ただならぬ関係”です。これで石原氏がかつてぶち上げたお台場のカジノ構想の裏事情があきらかになりましたが、では、オリンピック誘致はどうなのか。むしろそっちのほうがスキャンダルの本丸と言うべきでしょう。
一方、安倍首相も、下関の豪邸が「パチンコ御殿」と揶揄されるくらい、地元ではパチンコ業界とのつながりが深いことで知られているのだそうです。プリベートカード導入の際、導入に反対する北朝鮮系(旧社会党系)の業者と賛成する韓国系(自民党系)の業者の暗闘があり、その背後には利権を求める政治家や官僚の介在があったなんて話を聞くと、ロシアと変わらないじゃないかと思ったりします。しかも、ロシアのマフィアは正真正銘のマフィアですが、この国のマフィアは政治家や官僚なのです。
このような「愛国者」たちの実像を知るにつけ、戦後という時代の背理を考えないわけにはいきません。そこにあるのは、「愛国」と「売国」が逆さまになった、哀しくも無残な政治的(戦後的)光景です。TPPなどにもそれは端的に示されています。安倍首相は、TPPでアメリカに拝跪し、関税自主権を放棄して自国の市場をアメリカに売り渡そうとしながら、一方で、郷土を愛する・国を愛する教育を再興しなければならないと主張するのです。それこそ「愛国」と「売国」が逆さまになった戦後という時代の背理を見事に体現していると言うべきでしょう。
こう考えると、「愛国心は、悪党(ならず者)の最後の拠り所」というサミュエル・ジョンソンのことばが、リアルな現実として、今さらながらに思い出されてならないのです。
>> 文壇タブー
先日、衆院予算委員会で、日本維新の会所属の某議員が、福島第一原発事故で飛散したセシウムは「低線量で人体に無害。医学を無視し、科学を否定する野蛮な『セシウム強制避難』を全面解除すべきだ」と発言したそうです。この暴言に対して、あるネットの掲示板に、国会は今や「犯罪者と狂人の集会」になり下がったという書き込みがありましたが、うまいこと言うなと感心しました。
総選挙後の国会を見ると、およそ選良には似つかわしくないような人間たちがよくもまあこんなに揃ったものだと感心さえします。そして、安倍首相を先頭に、「悪党(ならず者)の最後の拠り所」(サミュエル・ジョンソン)たる「愛国心」が声高に振りかざされ、エーリッヒ・フロムが『自由からの逃走』で喝破した「パンは与えないけど見世物を与える」排外主義的な扇動政治がはじまったのでした。一部で安倍首相とネトウヨとの関係も指摘されていますが、安倍首相をヒーロー扱いするのはなにもネトウヨだけではありません。
最新の世論調査では、70%前後がTPP参加を支持し、安倍内閣の支持率も65~70%の高水準を推移しているという結果が出ていますが、見方によってはそれはマスコミの”自作自演”とも言えるのです。名古屋のデパートでバーキンが1日に5個売れたのもアベノミクスのおかげだ、みたいな記事が朝日新聞に出ていましたが、こういったマンガのような話がまことしやかに流通しているのが今のマスコミなのです。
一部の大企業が安倍首相の要請に応じて賃上げを実施したら、もうそれだけで大騒ぎして、あたかもこれから「景気がよくなる」かのように書き立てるのですが、経済というのはそんな簡単なものではないでしょう。アベノミクスの目玉である量的緩和なども然りですが、そんなに簡単だったら誰も苦労しません。しかも、勤労者の大部分は賃上げとは無縁で、逆に物価上昇&重税によって実質賃金は目減りするだけなのです。でもマスコミは、そういったアベノミクスの負の側面についてはいっさい書きません。
原発再稼動は着々と進み、懸案の発送電分離も自民党の反対で骨抜きにされる雲行きのようですが、あの原発事故からまだ2年しか経ってないのです。にもかかわらず、全てが元の木阿弥になりつつあるのです。原発事故で何が変わったのか。結局、何も変わらず、ただ私たちに電気料金の値上げが押し付けられただけです。
現在、一部のマスコミにようやく石原慎太郎氏の三男のスキャンダルが取り上げられていますが、そのスキャンダルの根っこにあるのは石原家とパチスロ大手の”ただならぬ関係”です。これで石原氏がかつてぶち上げたお台場のカジノ構想の裏事情があきらかになりましたが、では、オリンピック誘致はどうなのか。むしろそっちのほうがスキャンダルの本丸と言うべきでしょう。
一方、安倍首相も、下関の豪邸が「パチンコ御殿」と揶揄されるくらい、地元ではパチンコ業界とのつながりが深いことで知られているのだそうです。プリベートカード導入の際、導入に反対する北朝鮮系(旧社会党系)の業者と賛成する韓国系(自民党系)の業者の暗闘があり、その背後には利権を求める政治家や官僚の介在があったなんて話を聞くと、ロシアと変わらないじゃないかと思ったりします。しかも、ロシアのマフィアは正真正銘のマフィアですが、この国のマフィアは政治家や官僚なのです。
このような「愛国者」たちの実像を知るにつけ、戦後という時代の背理を考えないわけにはいきません。そこにあるのは、「愛国」と「売国」が逆さまになった、哀しくも無残な政治的(戦後的)光景です。TPPなどにもそれは端的に示されています。安倍首相は、TPPでアメリカに拝跪し、関税自主権を放棄して自国の市場をアメリカに売り渡そうとしながら、一方で、郷土を愛する・国を愛する教育を再興しなければならないと主張するのです。それこそ「愛国」と「売国」が逆さまになった戦後という時代の背理を見事に体現していると言うべきでしょう。
こう考えると、「愛国心は、悪党(ならず者)の最後の拠り所」というサミュエル・ジョンソンのことばが、リアルな現実として、今さらながらに思い出されてならないのです。
>> 文壇タブー