別に脊髄反射のつもりはありませんが、今日、気になったニュースが2つありました。
ひとつは、中村うさぎが現在、大学病院のICU(集中治療室)に入院していて、病状の急変で「数分間の心停止と呼吸停止」を起こしていたというニュースです。
Yahooニュースの記事:
中村うさぎさん、病状急変で一時心肺停止 ICUに入室
これは、友人のタカナシクリニック院長・高梨真教氏がブログ(中村うさぎvsマッド髙梨 ガチBLOG!)であきらにしたのですが、当初病名は「ギランバレー症候群」が疑われたけど、未だ診断は確定してないそうです。いわば手探りの治療が行われており、予断を許さない状態がつづいているのだとか。中村うさぎウォッチャーのひとりとしては、気がかりなニュースです。
当ブログの中村うさぎ関連記事:
『狂人失格』
中村うさぎの老残
『愛という病』
『私という病』
もうひとつは、医療法人「徳洲会」が、自民党の徳田毅衆議院議員の選挙運動を巡って、公職選挙法違反の疑いで、東京地検特捜部の強制捜査を受けた事件です。
朝日新聞デジタルの記事:
徳洲会本部を捜索 公選法違反の疑い 昨年の衆院選
選挙運動の職員に日当も 徳洲会関係者「出張扱い」
私は、このニュースを聞いたとき、奇異に感じました。というのは、徳州会の病院関係者が選挙運動に動員されているのは、業界では誰でも知っている公然の事実だったからです。それがどうして今回に限って強制捜査になったのか。天の邪鬼な人間としては、どうしてもその背景を勘繰りたくなるのです。
ただの患者でしかない私でさえ、今まで何人もの元職員から選挙運動のために鹿児島に行った話を聞いたくらいで、めずらくもなんともない話です。医師に限らずコメディカルでも、徳洲会出身者は「鍛えられている」ので、他医療機関でも非常に重宝されています。彼らに聞けばいくらでも話を聞くことができるはずです。
徳洲会について、世間では毀誉褒貶相半ばしていますが、医療関係者に聞いても、一長一短あると言う人が多いようです。ただ、医療のスキルは間違いなく高いそうです。それだけ多くの症例に当たることができるからでしょう。
徳田虎雄理事長が現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病で入院している鎌倉市の湘南鎌倉病院も(その前はたしか葉山ハートセンターの特別室に入院しているという話を聞きましたが)、地元では「湘鎌(しょうかま)」と呼ばれ、患者はもちろん医療関係者の間でも高く評価されているのはたしかです。職員のモチベーションがまったく違うと言ってました。
24時間オープン、来る患者は絶対に断らない、差額ベット代は徴収しない、患者からのお礼は受取らない、生活に困窮している患者には生活資金を貸し付けるなど、「生命だけは平等だ」という徳田理事長のことばが実践されていることは事実で、それはすなおに評価すべきでしょう。医者や看護師たちの多くは、そういった理念に惹かれて徳洲会に入ったのです。私の知り合いにも、沖縄の離島にある徳洲会病院に行った看護師がいました。神奈川出身なのにどうして?と訊くと、「へき地医療に貢献したいから」と言ってました。
しかし、徳洲会は、別にセツルメント運動をしているわけではありませんので、一方で、理念を額面どおりに受け取れない一面があったことも事実でしょう。徳田氏の政治的野望や病院経営の一族支配などを見ると、いつの間にか目的と手段が逆転した、そういうパラドックスに陥ったという面は否定できないように思います。もっとも、病院進出に関連して、地元の医師会との間にきびしい対立と軋轢を抱えていることを考えれば、唯一の社会主義国であったソ連にスターリン主義が生まれた背景と似ているような気がしないでもないのです。
地元に拠点となる総合病院がほしい(総合病院を存続したい)自治体の要請もあって、病院のグループ化(医療のコングロマリット化)がどんどん進み、それに伴ってさまざまな弊害が出ているのは事実で、それはなにも徳洲会に限った話ではありません。場当たり的な医療行政が、医療のコングロマリット化という”ヌエ”を育てている側面もあるように思います(実際に、ほかの病院グループを見ても、経営の一族支配といい、理事長をカリスマ化して定期的な”研修”で職員を洗脳するようなやり方といい、まるで徳洲会をお手本にしているかのようです)。
これからカマトトなマスコミによって、徳洲会のスキャンダルがこれでもかと言わんばかりに出てくるのかもしれませんが、それにしても、どうして今なんだ?という疑問はぬぐえません。
ひとつは、中村うさぎが現在、大学病院のICU(集中治療室)に入院していて、病状の急変で「数分間の心停止と呼吸停止」を起こしていたというニュースです。
Yahooニュースの記事:
中村うさぎさん、病状急変で一時心肺停止 ICUに入室
これは、友人のタカナシクリニック院長・高梨真教氏がブログ(中村うさぎvsマッド髙梨 ガチBLOG!)であきらにしたのですが、当初病名は「ギランバレー症候群」が疑われたけど、未だ診断は確定してないそうです。いわば手探りの治療が行われており、予断を許さない状態がつづいているのだとか。中村うさぎウォッチャーのひとりとしては、気がかりなニュースです。
当ブログの中村うさぎ関連記事:
『狂人失格』
中村うさぎの老残
『愛という病』
『私という病』
もうひとつは、医療法人「徳洲会」が、自民党の徳田毅衆議院議員の選挙運動を巡って、公職選挙法違反の疑いで、東京地検特捜部の強制捜査を受けた事件です。
朝日新聞デジタルの記事:
徳洲会本部を捜索 公選法違反の疑い 昨年の衆院選
選挙運動の職員に日当も 徳洲会関係者「出張扱い」
私は、このニュースを聞いたとき、奇異に感じました。というのは、徳州会の病院関係者が選挙運動に動員されているのは、業界では誰でも知っている公然の事実だったからです。それがどうして今回に限って強制捜査になったのか。天の邪鬼な人間としては、どうしてもその背景を勘繰りたくなるのです。
ただの患者でしかない私でさえ、今まで何人もの元職員から選挙運動のために鹿児島に行った話を聞いたくらいで、めずらくもなんともない話です。医師に限らずコメディカルでも、徳洲会出身者は「鍛えられている」ので、他医療機関でも非常に重宝されています。彼らに聞けばいくらでも話を聞くことができるはずです。
徳洲会について、世間では毀誉褒貶相半ばしていますが、医療関係者に聞いても、一長一短あると言う人が多いようです。ただ、医療のスキルは間違いなく高いそうです。それだけ多くの症例に当たることができるからでしょう。
徳田虎雄理事長が現在、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病で入院している鎌倉市の湘南鎌倉病院も(その前はたしか葉山ハートセンターの特別室に入院しているという話を聞きましたが)、地元では「湘鎌(しょうかま)」と呼ばれ、患者はもちろん医療関係者の間でも高く評価されているのはたしかです。職員のモチベーションがまったく違うと言ってました。
24時間オープン、来る患者は絶対に断らない、差額ベット代は徴収しない、患者からのお礼は受取らない、生活に困窮している患者には生活資金を貸し付けるなど、「生命だけは平等だ」という徳田理事長のことばが実践されていることは事実で、それはすなおに評価すべきでしょう。医者や看護師たちの多くは、そういった理念に惹かれて徳洲会に入ったのです。私の知り合いにも、沖縄の離島にある徳洲会病院に行った看護師がいました。神奈川出身なのにどうして?と訊くと、「へき地医療に貢献したいから」と言ってました。
しかし、徳洲会は、別にセツルメント運動をしているわけではありませんので、一方で、理念を額面どおりに受け取れない一面があったことも事実でしょう。徳田氏の政治的野望や病院経営の一族支配などを見ると、いつの間にか目的と手段が逆転した、そういうパラドックスに陥ったという面は否定できないように思います。もっとも、病院進出に関連して、地元の医師会との間にきびしい対立と軋轢を抱えていることを考えれば、唯一の社会主義国であったソ連にスターリン主義が生まれた背景と似ているような気がしないでもないのです。
地元に拠点となる総合病院がほしい(総合病院を存続したい)自治体の要請もあって、病院のグループ化(医療のコングロマリット化)がどんどん進み、それに伴ってさまざまな弊害が出ているのは事実で、それはなにも徳洲会に限った話ではありません。場当たり的な医療行政が、医療のコングロマリット化という”ヌエ”を育てている側面もあるように思います(実際に、ほかの病院グループを見ても、経営の一族支配といい、理事長をカリスマ化して定期的な”研修”で職員を洗脳するようなやり方といい、まるで徳洲会をお手本にしているかのようです)。
これからカマトトなマスコミによって、徳洲会のスキャンダルがこれでもかと言わんばかりに出てくるのかもしれませんが、それにしても、どうして今なんだ?という疑問はぬぐえません。