
連休最後の夜。変な話ですが、食事を兼ねて散歩に出かけました。新横浜まで歩いて、新横浜で中華を食べ、食事のあとは市営地下鉄で桜木町へ。桜木町からはいつものように汽車道、万国橋、海岸通り、関内、伊勢佐木町、坂東橋、黄金町、初音町、日ノ出町をまわって、再び桜木町に戻ってきました。そして、馬車道からみなとみらい線に乗って帰ってきました。都合1万7千歩の散歩でした。
みなとみらいや伊勢佐木町を除くと、休日の夜の横浜の街は人通りも少なく、寂寥感さえ覚えます。平岡正明は、それを「場末感」と呼んだのですが、それが横浜の街の魅力でもあるのです。
今日は成人式だったので、桜木町駅は、色鮮やかな振袖姿の女の子が目に付きました。そんな賑やかな駅を背に、私は繁華街とは逆の方向に歩いて行きました。目の前にまっすぐに伸びている人通りの絶えた舗道を進んでいると、なんだか引き返すことのできない片道切符の道を歩いているような気持になってきます。
田舎の友人から届いた年賀状には、誰々がビルの階段から転落して救急車で運ばれたとか、誰々が脳梗塞で倒れたとか、誰々が腎臓の手術をしたとか、誰々が大腸の手術をしたとかいった、同級生の話が書き記されていました。また、別の友人の年賀状には、只今ガンの治療中だと書いていました。
私の田舎では、「後ろをふり返る」とは言わずに「あとをふり返る」と言うのですが、歩け、歩け、あとをふり返らずに歩け、そう自分に言い聞かせながら歩いているような感じでした。そのうち散歩することさえ苦行になってくるのでしょう。だから、いまのうちにできる限り遠くまで歩いて行きたいと思うのでした。

