ASKAの覚せい剤事件は、安倍政権がすすめる「解釈改憲による集団的自衛権の行使容認」への批判を避けるための”目くらまし”ではないかという見方が一部にありますが、そういった”妄想”を前提で言えば、私はむしろ逆のような気がしてなりません。
なぜなら、既にネットなどにも書かれていますが、ASKA と一緒に逮捕された栩内(とちない)香澄美容疑者をたどっていくと、アベノミクスの「成長戦略」を仕切る人脈に行き当たるからです。成り行き次第では、規制緩和を利権にする政商たちのスキャンダルが暴きだされる可能性さえあるのです。
栩内容疑者は、青森の高校を卒業後上京して職を転々とし、パソナグループの医療系人材派遣会社に勤務したのをきっかけに(逮捕時は別の関連会社に在籍)、パソナの創業者・南部康之氏の目にとまり、同グループが政財界のVIPを接待する際の「接待要員」に抜擢されたと言われています。
パソナグループは、現在、港区元麻布に「仁風林」という専用の迎賓館をもっていますが、「仁風林」には安倍首相や森喜朗元首相や前原誠司元民主党代表など、多くの政治家も訪れて「接待」を受けていたそうです。ちなみに、前原元代表の奥さんも、南部代表の「元秘書」と言われていますが、実際は「接待要員」で、パーティで知り合い結婚したという噂がもっぱらです(栩内容疑者も逮捕時の報道では「社長秘書」となっていました)。そして、ASKAと栩内容疑者が知り合ったのも、パソナのパーティだったのです。「接待要員」というのは、言わば北朝鮮の「喜び組」のようなものなのかもしれません。
現在、パソナグループの会長は、小泉政権で製造業派遣の解禁や郵政民営化で辣腕をふるった竹中平蔵氏ですが、竹中氏は安部首相とも親しく、アベノミクスの成長戦略を担う産業競争力会議のメンバー(民間議員)でもあります。同会議は、地域限定で大幅な規制緩和をおこなう「国家戦略特区」を提唱しており、そして、特区における「解雇ルール」「労働時間規制」「有期雇用制度」の見直しを提言しています。つまり、自由に解雇できて、残業手当は廃止して、派遣の期限も廃止するというものです。もちろん、そこには、「日本を、取り戻す!」(自民党のポスター)ならぬ「日本を、売り渡す!」TPPの受け皿作りという側面があることは間違いないでしょう。これが絶望的な格差社会をもたらすグローバル資本主義の本質であり、「愛国」を隠れ蓑にグローバル資本主義に拝跪して「国を売る」安倍政権の実態なのです。
マスコミは、ユニクロが1万6千人のアルバイトを正社員化するという話を大々的に報道して、あたかも安倍政権の経済政策によって正社員化が進んでいる(景気が回復している)かのような幻想をふりまいていますが、実際は、総務省が発表した労働力調査(基本集計)の2013年の平均でも、非正規雇用の割合は36.5%(正規労働3302万人、非正規労働1906万人)で、前年(2012年)より93万人増加し過去最高を更新しているのです(正規雇用は46万人減少)。
また、給与の面でも労働分配率は一貫して下がりつづけており、国税庁が発表した直近の民間給与実態統計調査(平成24年度)によれば、年収200万円以下の給与所得者は5年連続で1千万人を超えています(非正規雇用の平均年収は168万円)。特に女性が深刻で、200万円以下の割合は42.7%にのぼるそうです。
パソナの南部代表は、「派遣こそ終身雇用だ」とうそぶいていたそうですが、若い女の子を脇にはべらせ美酒に酔い痴れる私的なパーティで築かれた人脈を中心に、実際に(「成長戦略」の名のもとに)終身派遣(!)が現実になるような政策がすすめられているのです。
一方、昼のテレビでは、栩内容疑者が高校時代まですごした地元の青森を取材した模様が放送されていました。それによれば、栩内容疑者の一家は、お母さんが白血病にかかったため家計は苦しく、市営住宅で質素な生活を送っていたそうです。そして、高校生のときにお母さんが亡くなり、高校を卒業すると誰にも告げずにひとりで上京したということでした。
東京に出てきた栩内容疑者は、この生き馬の目をぬくような大都会で、みずからが如何に非力な存在かということを思い知らされたのではないでしょうか。そんななかで、コネも学歴もなんにもない自分が、東京でのし上がっていくには(つまり、階層上昇を果たすには)、唯一のとりえである容姿を武器にするしかないという考えにたどり着いたとしても、誰も非難できないでしょう。
私も似たような女性を知っていますが、しかし、哀しいかな、若いときはまだしも、年を取ると往々にしてみじめな末路が待っていることが多いのも事実です。なぜなら、女を武器にする生き方は、所詮男社会を前提にした生き方にすぎないからです。容姿(美醜)が女性性の大きな要素であることは否定できませんが、世の中は残酷なもので、ときにそれが躓きの石になることもあるのです。
先日、都心の住宅街を車で走っていたら、前からベンツやBMWなど高級車がつぎつぎとやってくるのでした。しかも、運転しているのは、見るからに「女性偏差値」の高そうな女性が多いのです。まわりを見れば、家賃が何十万円もするような「高級マンション」ばかりです。私たちのような下層貧民からすると、どうしてあんな車に乗ることができるのか、なんの仕事をしているのか、不思議でなりません。普通の仕事では、とてもそんな生活はできないでしょう。でも、それが東京という街なのです。
栩内容疑者も、そんな東京という街に翻弄され、政財界のお歴々や芸能人と知り合うなかで、徐々に現実感覚を失っていったのかもしれません。ただ、ひとつだけ言えるのは、栩内容疑者が美人でなかったなら(南部代表の寵愛を受けていなかったら)、彼女もまた、年収200万以下の生活を余儀なくされた可能性が高いということです。それがコネも学歴もなんにもない多くの女性の現実なのです。
ASKAについては、早くも「才能がもったいない」とかなんとか言われていますので、ご多分に漏れず禊をすませたらまた芸能界に復帰するのでしょう。しかし、栩内容疑者は、南部代表が今後も面倒を見てくれるわけではないでしょうから(既に逮捕の翌日に会社は解雇されたようですし)、前科者として社会の底辺にいっきに落ちていくのは避けられないように思います。そして、ワルたちにボロボロにされて、「波乱万丈の女の一生」を終えるのではないでしょうか。そう思うと、自業自得とは言え、なんだかせつない気持にならざるをえません。
※下記は、この記事のあとにアップされたおすすめの「関連情報」です(5/29)。
参照:
パソナ南部代表、女性スキャンダル&セクハラ疑惑 秘書の覚せい剤逮捕生む企業体質
栩内容疑者“学校1の美女”が覚せい剤に溺れるまで…
なぜなら、既にネットなどにも書かれていますが、ASKA と一緒に逮捕された栩内(とちない)香澄美容疑者をたどっていくと、アベノミクスの「成長戦略」を仕切る人脈に行き当たるからです。成り行き次第では、規制緩和を利権にする政商たちのスキャンダルが暴きだされる可能性さえあるのです。
栩内容疑者は、青森の高校を卒業後上京して職を転々とし、パソナグループの医療系人材派遣会社に勤務したのをきっかけに(逮捕時は別の関連会社に在籍)、パソナの創業者・南部康之氏の目にとまり、同グループが政財界のVIPを接待する際の「接待要員」に抜擢されたと言われています。
パソナグループは、現在、港区元麻布に「仁風林」という専用の迎賓館をもっていますが、「仁風林」には安倍首相や森喜朗元首相や前原誠司元民主党代表など、多くの政治家も訪れて「接待」を受けていたそうです。ちなみに、前原元代表の奥さんも、南部代表の「元秘書」と言われていますが、実際は「接待要員」で、パーティで知り合い結婚したという噂がもっぱらです(栩内容疑者も逮捕時の報道では「社長秘書」となっていました)。そして、ASKAと栩内容疑者が知り合ったのも、パソナのパーティだったのです。「接待要員」というのは、言わば北朝鮮の「喜び組」のようなものなのかもしれません。
現在、パソナグループの会長は、小泉政権で製造業派遣の解禁や郵政民営化で辣腕をふるった竹中平蔵氏ですが、竹中氏は安部首相とも親しく、アベノミクスの成長戦略を担う産業競争力会議のメンバー(民間議員)でもあります。同会議は、地域限定で大幅な規制緩和をおこなう「国家戦略特区」を提唱しており、そして、特区における「解雇ルール」「労働時間規制」「有期雇用制度」の見直しを提言しています。つまり、自由に解雇できて、残業手当は廃止して、派遣の期限も廃止するというものです。もちろん、そこには、「日本を、取り戻す!」(自民党のポスター)ならぬ「日本を、売り渡す!」TPPの受け皿作りという側面があることは間違いないでしょう。これが絶望的な格差社会をもたらすグローバル資本主義の本質であり、「愛国」を隠れ蓑にグローバル資本主義に拝跪して「国を売る」安倍政権の実態なのです。
マスコミは、ユニクロが1万6千人のアルバイトを正社員化するという話を大々的に報道して、あたかも安倍政権の経済政策によって正社員化が進んでいる(景気が回復している)かのような幻想をふりまいていますが、実際は、総務省が発表した労働力調査(基本集計)の2013年の平均でも、非正規雇用の割合は36.5%(正規労働3302万人、非正規労働1906万人)で、前年(2012年)より93万人増加し過去最高を更新しているのです(正規雇用は46万人減少)。
また、給与の面でも労働分配率は一貫して下がりつづけており、国税庁が発表した直近の民間給与実態統計調査(平成24年度)によれば、年収200万円以下の給与所得者は5年連続で1千万人を超えています(非正規雇用の平均年収は168万円)。特に女性が深刻で、200万円以下の割合は42.7%にのぼるそうです。
パソナの南部代表は、「派遣こそ終身雇用だ」とうそぶいていたそうですが、若い女の子を脇にはべらせ美酒に酔い痴れる私的なパーティで築かれた人脈を中心に、実際に(「成長戦略」の名のもとに)終身派遣(!)が現実になるような政策がすすめられているのです。
一方、昼のテレビでは、栩内容疑者が高校時代まですごした地元の青森を取材した模様が放送されていました。それによれば、栩内容疑者の一家は、お母さんが白血病にかかったため家計は苦しく、市営住宅で質素な生活を送っていたそうです。そして、高校生のときにお母さんが亡くなり、高校を卒業すると誰にも告げずにひとりで上京したということでした。
東京に出てきた栩内容疑者は、この生き馬の目をぬくような大都会で、みずからが如何に非力な存在かということを思い知らされたのではないでしょうか。そんななかで、コネも学歴もなんにもない自分が、東京でのし上がっていくには(つまり、階層上昇を果たすには)、唯一のとりえである容姿を武器にするしかないという考えにたどり着いたとしても、誰も非難できないでしょう。
私も似たような女性を知っていますが、しかし、哀しいかな、若いときはまだしも、年を取ると往々にしてみじめな末路が待っていることが多いのも事実です。なぜなら、女を武器にする生き方は、所詮男社会を前提にした生き方にすぎないからです。容姿(美醜)が女性性の大きな要素であることは否定できませんが、世の中は残酷なもので、ときにそれが躓きの石になることもあるのです。
先日、都心の住宅街を車で走っていたら、前からベンツやBMWなど高級車がつぎつぎとやってくるのでした。しかも、運転しているのは、見るからに「女性偏差値」の高そうな女性が多いのです。まわりを見れば、家賃が何十万円もするような「高級マンション」ばかりです。私たちのような下層貧民からすると、どうしてあんな車に乗ることができるのか、なんの仕事をしているのか、不思議でなりません。普通の仕事では、とてもそんな生活はできないでしょう。でも、それが東京という街なのです。
栩内容疑者も、そんな東京という街に翻弄され、政財界のお歴々や芸能人と知り合うなかで、徐々に現実感覚を失っていったのかもしれません。ただ、ひとつだけ言えるのは、栩内容疑者が美人でなかったなら(南部代表の寵愛を受けていなかったら)、彼女もまた、年収200万以下の生活を余儀なくされた可能性が高いということです。それがコネも学歴もなんにもない多くの女性の現実なのです。
ASKAについては、早くも「才能がもったいない」とかなんとか言われていますので、ご多分に漏れず禊をすませたらまた芸能界に復帰するのでしょう。しかし、栩内容疑者は、南部代表が今後も面倒を見てくれるわけではないでしょうから(既に逮捕の翌日に会社は解雇されたようですし)、前科者として社会の底辺にいっきに落ちていくのは避けられないように思います。そして、ワルたちにボロボロにされて、「波乱万丈の女の一生」を終えるのではないでしょうか。そう思うと、自業自得とは言え、なんだかせつない気持にならざるをえません。
※下記は、この記事のあとにアップされたおすすめの「関連情報」です(5/29)。
参照:
パソナ南部代表、女性スキャンダル&セクハラ疑惑 秘書の覚せい剤逮捕生む企業体質
栩内容疑者“学校1の美女”が覚せい剤に溺れるまで…