
夕方、横浜駅前の中央郵便局に行ったついでに、いつものように横浜駅からみなとみらい・関内を歩きました。
やはり、連休の最終日だからなのか、途中、横浜ベイクォーターやコスモワールドは大変な人出でした。そもそも一人で歩いている人間なんてほとんどいません。しかも、なぜか人波に逆らって歩くことが多いため、舗道を通りぬけるのさえひと苦労でした。
コスモワールドは、夜景はきれいなのですが、施設は期間限定の「暫定施設」なので、乗物や施設はショボくて、どことなく場末感が漂っています。ちなみに、みなとみらいにある2階建ての建物などは、ほとんどが期間限定の「暫定施設」です。最近、やたらと外車ディラーのショールームができていますが、それらも期間限定の「暫定施設」にすぎません。そして、そういった「暫定施設」が、なによりみなとみらいが「負の遺産」であることを物語っているのです。
舗道が歩きずらいので、コスモワールドのなかに入ったら、なかはカップルだらけでした。私の前を新垣結衣に似たかわいい娘(こ)が男の子と手をつないで歩いていました。おじさんは、新垣結衣のミニスカートからすらりと伸びた足に目が吸い寄せられ、目まいを起こしそうでした。どうやら二人はお化け屋敷に入るみたいで、お化け屋敷が近づくと、新垣結衣は隣の裾のほつれたズボンをはいた男の子に身を寄せながら、「怖いよォ~」と甘えた声を出していました。すると、サルのような顔をした男の子が、「大丈夫だよ」と言って人さし指と中指で新垣結衣のおでこをつついたのでした。それを見ていたおじさんは、「ふん」と鼻で笑い、二人をガン見すると、そそくさと追い抜いて行ったのでした。
象の鼻パークに行くと、「スマートイルミネーション横浜2014」というイベントの一環で、プロジェクターを使った「野外劇」がおこなわれていました。それは、隣接するビルの壁に映し出された人物が会話劇を演じる、奇妙で薄気味の悪いパフォーマンスでした。
横浜は、このようなアートの催しが多いのが特徴です。でも、どう考えても普段の横浜はアートなんてまったく似合いません。アートはあくまで観光客向けのイベントにすぎないのでしょう。素の横浜は、アートよりマンガ、ジャズよりヒップホップや演歌が似合うヤンキーの産地です。横浜では新垣結衣もヤンキーになるのです。そして、ハリボテの「暫定施設」やおつに済ましたアートなどとは関係ない、そんな素の部分にこそ横浜の魅力があるのです。


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